意味の広がりや違いを感じよう!
日本で広く使われている外来語には、フランス語由来のものが少なくありません。
外来語があることでフランス語の単語が覚えやすくなる反面、本来の意味が抜け落ちたり、変わってしまうことすらあります。
外来語・元の単語の両方を知って、意味の広がりや違いを感じてください。
第42回目は、「シック」です。
日本語の「シック」
日本語の「シック」はフランス語由来の外来語です。
「シック」は、「シックな服装」「シックなインテリア」などのように使われます。
落ち着いている・地味だが上品・色合いが控えめという意味で、視覚的・デザイン的な評価が中心です。
- シック「落ち着いている」「地味だが上品」「色合いが控えめ」
フランス語の「chic」
フランス語の「chic」もポジティブな意味で使われる形容詞ですが、日本語のように視覚的な意味には限定されません。
「chic」は見た目だけでなく、人の行動や人柄、さらには感情表現までをも評価する言葉です。
そしてもっとも日本語の「シック」と異なるのは、感動詞としての使い方です。
嬉しいという気持ちを表現するもので、和訳するなら「やった!」に相当します。
フランス語の「chic」の使い方をまとめると、
- chic①「上品な」
- chic②「感じのいい」
- chic③「気持ちのいい(態度)」
- chic④「気の利いた(行為)」
- chic⑤「やった!」
ということになります。
いろいろな「chic」
「chic」の例文を挙げておきます。
- C’est une femme chic, toujours bien habillée.
(上品な女性で、いつも身なりが整っている)
→ chic①「上品な」
- Il est chic avec tout le monde.
(彼はみんなに対して気持ちのいい態度だ)
→ chic③「気持ちのいい(態度)」
- Un geste chic.
(気の利いた行為)
→ chic④「気の利いた(行為)」
- Chic, il ne pleut plus !
(やった、雨が止んだ!)
→ chic⑤「やった!」
などがあります。
感謝している!?
日本語の「シック」に重なる部分もあるものの、かなり広い意味で使われて感動詞の「やった!」にまでなる「chic」ですが、では何にでも使うのかと言えば、そうでもない難しさもあります。
基本的にポジティブであるという共通点はあるものの、あまり大げさな表現にはならない言葉です。
「感じがいい」「ちゃんとしている」「(ある程度)品がある」「(無難に)好ましい」ぐらいの意味で使われます。
「C’est chic !」と言われることがあり、あまりフランス語に慣れていなかった頃はよくわからなかったものですが、場合によっては「Merci !」か、それ以上の感謝の言葉です。
少なくともこれを言った相手は、こちらの好意をきちんと受け取っていて、「気が利いている」という評価を返している、つまり感謝しています。
日本語の「シック」から頭を切り替えられないと、その気持ちを受け取れなくなってしまいますね!
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