若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第18回目「réglo」です。
「réglo」とは?
「réglo」とは、「réglementaire」の略で、口語的に変形させた形から派生したスラングです。
「réglementaire」は形容詞で、「規定に適合した」「規則にかなった」という意味です。
ただし「réglo」という言葉はスラングとして進化することにより、元の「réglementaire」よりも意味が広がっています。
使用には注意!
このブログ/ポッドキャストの「日常会話で使う略語」16回目の「dico」で、若者らしさが表れているとご紹介したのですが、今回の「réglo」は、スラングそのもの。
多くの略語同様、語末を「o」で終わる形にしただけのように見えますが、これまでご紹介してきた略語とは一線を画します。
それでも前述通り、職場の仲の良い同僚となら使う程度ではありますが、あくまでもスラングですし、特に目上の人などには使わない方がいいということは覚えておいてください。
スラングは下品?
それでもなぜ、あえてご紹介するのかと言うと、付き合う相手にもよりますが、よく聞く言葉であるということが、まず挙げられます。
そしてスラングと言うと「下品なことば」だと思われる方がいらっしゃるかもしれませんし、その見方を全否定するつもりもありませんが、その一方で、親しみやすい表現として進化した結果でもあります。
「réglo」というスラングには、この進化が見て取れるので、感じていただきたいと思います。
さらに「réglo」には、元の単語「réglementaire」にはない意味も追加されて、広がりを持つ言葉になっています。
本来の意味
さて、では元の単語「réglementaire」からご紹介していきます。
「réglementaire」は前述通り、「規定に適合した」「規則にかなった」という、かなり堅いイメージの形容詞です。
例文は:
- Cette action est réglementaire.
(この行動は規定に適合している)
進化した意味
次にスラングとしての進化ですが、「réglo」にすることにより、「réglementaire」という堅いイメージの言葉が、親しみやすくカジュアルになります。
先ほどの例文「Cette action est réglementaire.(この行動は規定に適合している)」を「réglo」を使って言い換えると、これが実感できます。
- C’est réglo.
(ちゃんとしてる)
意味の広がり①
スラングとしての進化は、単に親しみやすくなるだけでなく、意味が広がることがあります。
本来の「規定に適合した」「規則にかなった」という意味が、「正当な」や「公正な」という意味に若干広がったのが、次の例です。
- C’est pas trop réglo de faire ça.
(そんなことをするのはあまり公平じゃない)
意味の広がり②
スラングになったことで、さらに意味が広がった例もご紹介します。
「誠実な」や「信頼できる」というニュアンスも含むようになったのが次の例です。
- Il est réglo, tu peux lui faire confiance.
(彼は正直な人だから、信頼できるよ)
理解してうなずこう!
堅苦しくなく短く表現でき、さらに意味も広がって便利な「réglo」ですが、やはりスラングです。
カジュアルな会話ではひんぱんに使われるものの、客先や目上の人相手のフォーマルな場面では避けるべき単語です。
とはいえ、相手が使った時に意味が分かってうなずければ、その人との距離がグッと近づくのは想像できますよね!
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