若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第15回目「texto」です。
「texto」とは?
始めにお断りしておきますが、今回の略語は「texto」で、「text」や「texte」ではありません。
「texto」とは「短いメッセージ」や「Short Message Service(SMS)」のことで、英語の「text message(テキストメッセージ)」に由来しています。
フランスでは、英語の「text」ではなく、かと言ってフランス語の「texte」でもなく、「texto」と変化させて使うことが一般的です。
フランス語の略語は語末を「o」で終わる形にすることが多いので、この形になったと思われます。
正式には?
「texto」という言い方は市民権を得て、今となっては様々な年代の人が使うようになりましたが、本来は若者言葉です。
というのも、元の単語にはない「o」を語末にしているので、長い単語を短くしただけの略語よりも、少々若者臭さが目立つのです。
元になった英語の「text message」に相当するフランス語には、「texto」以外にもいくつかの表現があります。
目上の人などには、「SMS」や「message texte(テキストメッセージ)」を使った方が無難かもしれません。
「texto」の使用例
さて、略語の「texto」の使用例としては、たとえば
「Je t’envoie un texto.」
(君にSMSを送るよ)
のように言います。
目上の人や顧客宛なら
「Je vous envoie un SMS.」
(SMSをお送りします)
の方が無難でしょう。
例文のポイント
2つ目の例文の場合、親しい間柄ではないので、「te(君に)」の省略形「t’」ではなく、「vous(あなたに)」を使うのがポイントです。
なお、目上の人であっても、あまり堅苦しくない関係なら
「Je vous envoie un texto.」で十分に通じます。
特に失礼になるわけでもありません。
「texto」という言葉は若者臭さを若干残しつつも、今や誰もが理解して使えるようになったからです。
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