年度初め(la rentrée scolaire)
今日(2024年9月2日)は、日本だと夏休み明けの新学期第1日目ですね。
フランスでも今日が夏休み明け第1日目ですが、こちらは年度初め(la rentrée scolaire)です。
実は年度初めの10日前から9月の第1週は、フランス各地でバタバタとしている場所があります。
フランスの学校事情をお伝えします。
経済にも影響
フランスには子どもが多いことをご存じでしょうか?
毎年出生率低下がニュースになる日本に比べ、また他の先進国に比べても、かなり高い出生率が続いてきました。
ここ何年か低下しているようではありますが、それでもまだまだ子どもの数が多く、経済に影響しているのも実感します。
それは特に、毎年8月下旬のスーパーの混雑ぶりでよくわかるのです。
恵まれた子どもたち
日本でも何年か前に、高校の授業料無償化などがニュースになっていましたが、フランスには公立校の授業料というものが存在しません。
幼稚園から中学までが義務教育なので、この期間はもちろん、高校もすべて無料です。
大学に関しても、公立大学は若干の登録料だけで、授業料はありません。
おまけに、両親が高収入でなければ返還不要の奨学金があるので、お金をもらいながら勉強している大学生が多くいます。
スーパーが混雑する理由
もちろん児童手当もかなり古くからあり、それに加えて新年度準備金まで出ます。
この一時金については両親の収入によるので、中流家庭以上だと出ないのですが、毎年これが出てから子どもの新年度の準備をする家庭も多いです。
この準備金の支給が8月20日過ぎになるので、それ以降のスーパーが混雑するというわけです。
準備金の金額は子どもの年齢によって変わるのですが、今年の支給額を調べてみたところ、1人当たり416.40~454.40ユーロでした。
1ユーロ=150円で計算すると62,460~68,160円、これが子どもの人数分支払われるのですから、けっこうな金額です。
バタバタも風物詩
我が家の子どもたちは成人しているので現在は関係ありませんが、毎年8月終わり頃のスーパーに行くと、夏休み前に学校から渡されていた買い物リストを手にしている姿をよく見かけます。
小学校に入学するのか、通学かばんを新調してもらって嬉しそうにしている小さな子どもがいる一方で、少し大きな子は慣れた手つきで次々とショッピングカートに品物を入れています。
家庭によっては、お母さんが必死に必要なものを探していたり、子どもを怒鳴りつけていたり…。
かなり混雑していて、本当にバタバタとした風景ですが、そもそも年度が変わるので夏休みの宿題というものがなく、日本の子どもたちに比べればストレスが少ないはずです。
それでも少しずつ、子どもたちの顔つきがバカンスモードから、学校モードへと変わっていく時期なのです。
この記事を音声で聞くなら
この記事は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、よろしければお使いくださいね!
コメント