「Je t’aime.」以外の愛情表現
フランス語の愛情表現「Je t’aime.」は本当に有名ですが、他にもけっこうあります。
今回はその4つ目、「Je suis fou de toi.」と「Je suis folle de toi.」をご紹介します。
フランス語の愛情表現の中でも、かなり情熱的なフレーズです。
「Je suis fou/folle de toi.」
「je」は1人称代名詞単数「わたし」など、「suis」は「être」の活用形(現在形)です。
「fou」は「気の狂った」「気違いの」などの意味があり、「folle」はその女性形です。
なお、「être fou de ~」という形で「~によって気が狂ったような」「~に夢中になった」「~を熱愛している」という意味になります。
「toi」は2人称代名詞単数「きみ」などの強勢形と言われる形です。
なので、「Je suis fou de toi.」と「Je suis folle de toi.」は両方とも、「きみに夢中だ」「きみに狂っている」という意味です。
どんな人がどんな場面で?
このフレーズを使う人が男性なら「Je suis fou de toi.」、女性なら「Je suis folle de toi.」になります。
「fou/folle」というのは、文字通り「狂った」状態なので、和訳の「きみに夢中だ」と言うよりも「きみ以外のことは考えられないほど、きみに狂っている」というイメージですね。
日本語ネイティブとしては、口にすることはまずないかもしれませんが、フランス語ネイティブは、口に出して言うことがあるのです。
否定形の場合
言うまでもなく、極端に情熱的なフレーズですが、これが否定形になる場合があります。
否定の「ne ~ pas(~ない)」を使いますが、話し言葉では「ne」を省略して
- 話者が男性:Je suis pas fou de toi.
- 話者が女性:Je suis pas folle de toi.
になります。
熱しやすく冷めやすい?
ただし「Je suis pas fou/folle de toi.」になると、「きみに夢中ではない」のように、単なる否定形になるわけではありません。
これを使う場面として考えられるのは、長年連れ添ってきたものの、もうすっかり愛情も冷め切ってしまい、もうそろそろ離婚も視野に入れている場合などです。
相手のことが嫌いというわけではないけれど、かなり相手の欠点が目に付いてしまっていたり、うとましくなってきていたり、という場面で使われるのが「Je suis pas fou/folle de toi.」という否定形です。
元のフレーズ「Je suis fou/folle de toi.」が「狂わしいほどに好き」という情熱を表している分、それを否定する「Je suis pas fou/folle de toi.」になると、「それほど好きではない」という以上に「少し距離を置いてほしい」という冷めた感情になっている場合があります。
やけどをしそうな情熱も、冷めてしまうと残酷になることがありますね。
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