動詞ばかりのフレーズ
今回のフレーズには、動詞がいくつもあるように見えます。
でも整理してみると、意外に単純なつくりですよ!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「J’ai donc dû choisir un autre métier et j’ai appris à piloter des avions.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第1章の後半にあります。
3枚目の挿絵から2つ目の段落の最初にあるフレーズです。
「j’ai donc dû choisir」
「j’ai」は、「わたし」を意味する1人称代名詞単数の「je」と、「avoir」の1人称単数の活用形「ai」が合わさったものです。
「donc」は、「それゆえ」「したがって」という意味です。
「dû」は動詞「devoir」の過去分詞です。
ここまでの「ai(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。
「devoir +(動詞の原形)」の形で「~しなければならない」「~すべきである」などになります。
動詞の原形は「~を選ぶ」という意味の「choisir」が使われています。
「un autre métier」
「un」は不定冠詞単数男性形、「métier」は、「職業」「役割」などの意味の男性名詞です。
「autre」は、「不定冠詞 + autre + 名詞」の形で、「別の」「他の」という意味です。
「et j’ai appris」
「et」は「そして」、「appris」は動詞「apprendre」の過去分詞です。
「apprendre + à +(動詞の原形)」の形で「~することを学ぶ/習う」などになります。
ここでも「ai(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。
「à piloter des avions」
「à」は「apprendre + à +(動詞の原形)」の一部、動詞の原形は「~を操縦する」「~を運転する」という意味の「piloter」が使われています。
「des」は不定冠詞複数形、「avions」は「飛行機」という意味の「avion」の複数形です。
「apprendre à piloter des avions」で「飛行機を操縦することを学ぶ/習う」になります。
背景を見てみると
語り手の男性は6歳で、画家になる夢をあきらめました。
周囲の大人たちに自分の絵を理解されず、他の勉強をするようにと言われたせいなので、面白くはなかったようです。
今回のフレーズは、夢をあきらめた後のことを語っている場面の最初にあります。
主語と述語を考えよう!
冒頭でも触れましたが、今回のフレーズには動詞または動詞らしいものがたくさんありますよね?
こういうフレーズに出会った時は、主語と述語を抜き出してみると分かりやすくなります。
前半部分の主語と述語は「j’ai dû choisir」、後半部分は「j’ai appris à piloter」です。
述語は?
そして主語は前半・後半とも「j’」になっています。
なので述語、つまり動詞のかたまりはそれぞれ「ai dû choisir」「ai appris à piloter」です。
先ほどもお伝えしましたが、両方とも「ai」つまり「avoir」は、「(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現の一部分です。
ということは、意味を持たず、過去表現を構成している部品のようなものです。
意味を知る上の注目点
要するに、述語の意味を考える上で大切なのは、過去分詞になっている動詞です。
今回のフレーズでは、前半に「devoir +(動詞の原形)」の形で「~しなければならない」「~すべきである」が、後半に「apprendre + à +(動詞の原形)」の形で「~することを学ぶ/習う」が使われています。
このことに注目できれば、かなり理解がすすみます。
辞書を引くには?
ただし、過去分詞の形を見ただけでは、動詞の原形がわからない場合もあります。
例えば前半部分にある「dû」などは、知らなければ原形が「devoir」だとは思わないでしょう。
こうした過去分詞らしき単語を見たら、まずはそのままの形で辞書を引いてください。
「dû」の欄には「devoirの過去分詞」とあるので、その後さらに「devoir」で引くという作業になります。
おススメは疑うこと!
なお、「avoir」に気づいた時点で、「後ろに動詞がついているかもしれない」と疑うのがおススメです。
今回のフレーズのように、間に「donc」などが挟まっている可能性もあるので、すぐ後ろではないかもしれません。
慣れてくるとすぐに見つかるようになるので、似たようなフレーズに当たっていけば大丈夫です!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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