159 発音の謎ルールと一緒に覚えよう!  Elles ont toujours besoin d’explications.

動詞

声に出して覚えよう! 

今回のフレーズは、発音のルールを知らないと、正しく読めない部分があります。 

本来は発音されないはずなのに音が出現したり、音が出たと思ったら音が変化したりと、フランス語の発音に関する謎ルールがあるからです。 

ご自分でも、声に出して発音して覚えてくださいね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Elles ont toujours besoin d’explications.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第1章の中ほどにあります。 

3枚目の挿絵の2行前にあるフレーズです。 

「elles ont toujours besoin」 

「elles」は3人称代名詞複数女性形、「ont」は「avoir」の3人称複数現在の活用形です。 

「toujours」は「いつも」という意味です。 

「besoin」は男性名詞で、「欲求」「必要」といった意味ですが、冠詞がついていませんね? 

ここでは「avoir + besoin + de ~」という形で、「~を必要とする」という意味になっているからです。 

この場合の「~」の部分には、人・モノの両方が入ります。 

「d’explications」 

「d’explications」は、「de」の省略形の「d’」と、「説明」「釈明」などを意味する女性名詞の「explication」の「explications」が合わさったものです。 

「d'(de)」は、先ほどご紹介した「avoir + besoin + de ~(~を必要とする)」の一部になっています。 

背景を見てみると 

ヘビが大きな獲物を丸ごと飲みこんでいる絵、およびその解説を本で読んで、6歳の少年だった語り手の男性はかなり刺激を受けたようです。 

そしてそのインスピレーションをもとに、ゾウを丸飲みしたヘビの様子を描き上げました。 

けれどその絵を見た大人たちは誰もが、どうして帽子が怖いのかと言うので、今度はヘビの中身のゾウがわかるように2枚目の絵を描きました。 

そのすぐ後にあるのが、今回のフレーズです。 

ここでの「elles」 

今回のフレーズにある「elles」は3人称代名詞複数女性形なので、和訳は「彼女たち」とされることが多いのですが、文脈から「les grandes personnes(大人たち)」であることが明らかです。 

「personnes」が女性名詞の複数形なので、これを受けるのは3人称代名詞複数女性形の「elles」になるのです。 

この際、たとえ「les grandes personnes(大人たち)」が男性ばかりで構成されていても、これを受けるのは「elles」です。 

実際の性別ではなく、対象になる単語が男性名詞なのか、女性名詞なのかで代名詞のせいが決まるということは、覚えておいてくださいね。 

覚えにくく音も変わる 

なお、今回のフレーズの動詞「ont」は「avoir」の活用形ですが、他の活用形と違い、少々覚えにくいかもしれません。 

というのも、この「ont」以外の活用形は、原形の「avoir」と同じく、「a」で始まるものばかりだからです。 

そして発音についても、3人称複数形の「ils」「elles」ともに、主語の語末にある「s」が発音されるうえ、音がにごって「z」になるという特徴があります。 

音の変わる理由 

ただし「ils ont」「elles ont」の「s」が「z」と発音されるのは、動詞のせいではありません。 

もちろん、動詞「ont」がついたから、「s」と「o」を合わせて発音されることになり、代名詞だけなら発音されることのない「s」が発音されるのですが、音が変わるのは動詞に限ったことではありません。 

フランス語の発音のルールとして、「母音で挟まれた『s』は『z』として発音する」という謎ルールが存在するからです。 

けれどルールを覚えるよりも、実際に何度も声に出してしまうのが、効率よく覚えるコツです。 

ぜひご自身でも、発声してみてくださいね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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