声に出して覚えよう!
今回のフレーズは、発音のルールを知らないと、正しく読めない部分があります。
本来は発音されないはずなのに音が出現したり、音が出たと思ったら音が変化したりと、フランス語の発音に関する謎ルールがあるからです。
ご自分でも、声に出して発音して覚えてくださいね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Elles ont toujours besoin d’explications.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第1章の中ほどにあります。
3枚目の挿絵の2行前にあるフレーズです。
「elles ont toujours besoin」
「elles」は3人称代名詞複数女性形、「ont」は「avoir」の3人称複数現在の活用形です。
「toujours」は「いつも」という意味です。
「besoin」は男性名詞で、「欲求」「必要」といった意味ですが、冠詞がついていませんね?
ここでは「avoir + besoin + de ~」という形で、「~を必要とする」という意味になっているからです。
この場合の「~」の部分には、人・モノの両方が入ります。
「d’explications」
「d’explications」は、「de」の省略形の「d’」と、「説明」「釈明」などを意味する女性名詞の「explication」の「explications」が合わさったものです。
「d'(de)」は、先ほどご紹介した「avoir + besoin + de ~(~を必要とする)」の一部になっています。
背景を見てみると
ヘビが大きな獲物を丸ごと飲みこんでいる絵、およびその解説を本で読んで、6歳の少年だった語り手の男性はかなり刺激を受けたようです。
そしてそのインスピレーションをもとに、ゾウを丸飲みしたヘビの様子を描き上げました。
けれどその絵を見た大人たちは誰もが、どうして帽子が怖いのかと言うので、今度はヘビの中身のゾウがわかるように2枚目の絵を描きました。
そのすぐ後にあるのが、今回のフレーズです。
ここでの「elles」
今回のフレーズにある「elles」は3人称代名詞複数女性形なので、和訳は「彼女たち」とされることが多いのですが、文脈から「les grandes personnes(大人たち)」であることが明らかです。
「personnes」が女性名詞の複数形なので、これを受けるのは3人称代名詞複数女性形の「elles」になるのです。
この際、たとえ「les grandes personnes(大人たち)」が男性ばかりで構成されていても、これを受けるのは「elles」です。
実際の性別ではなく、対象になる単語が男性名詞なのか、女性名詞なのかで代名詞のせいが決まるということは、覚えておいてくださいね。
覚えにくく音も変わる
なお、今回のフレーズの動詞「ont」は「avoir」の活用形ですが、他の活用形と違い、少々覚えにくいかもしれません。
というのも、この「ont」以外の活用形は、原形の「avoir」と同じく、「a」で始まるものばかりだからです。
そして発音についても、3人称複数形の「ils」「elles」ともに、主語の語末にある「s」が発音されるうえ、音がにごって「z」になるという特徴があります。
音の変わる理由
ただし「ils ont」「elles ont」の「s」が「z」と発音されるのは、動詞のせいではありません。
もちろん、動詞「ont」がついたから、「s」と「o」を合わせて発音されることになり、代名詞だけなら発音されることのない「s」が発音されるのですが、音が変わるのは動詞に限ったことではありません。
フランス語の発音のルールとして、「母音で挟まれた『s』は『z』として発音する」という謎ルールが存在するからです。
けれどルールを覚えるよりも、実際に何度も声に出してしまうのが、効率よく覚えるコツです。
ぜひご自身でも、発声してみてくださいね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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