文法同様に大切!
今回のキーワードは「troisième」と「France」です。
今回は文法よりも、覚えるべき基礎事項を優先してお伝えします。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「J’ai une troisième excuse : cette grande personne habite la France où elle a faim et froid.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第0章とも言うべき、献辞部分(「À LÉON WERTH」と書いてあるところ)の4つ目のフレーズです。
「j’ai une troisième excuse」
「j’ai」は、「わたし」を意味する人称代名詞1人称単数の「je」と、英語の「have」に当たる動詞「avoir」の活用形「ai」が合わさった形です。
「une」は不定冠詞単数女性形、「troisième」は、「3番目の」という意味です。
「excuse」は女性名詞で「言い訳」「弁解」「口実」などの意味です。
「cette grande personne」
「cette」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の女性形単数です。
「grande personne」は「大人」という意味です。
「habite la France」
「habite」は「~に住む」という意味の動詞、「habiter」の3人称単数現在の活用形です。
「la」は定冠詞単数女性形、「France」は「フランス」ですが、「F」が大文字になること、女性名詞なので定冠詞が「la」になることには気をつけてください。
「où elle a faim et froid」
「où」は疑問詞として使われると「どこ」という意味ですが、今回のフレーズは疑問文ではないので、場所を表す関係詞として使われています。
「elle」は人称代名詞3人称単数、「a」は「avoir」の3人称単数の活用形です。
「avoir faim」で「おなかがすいている」「ひもじい」、「avoir froid」で「寒い」「寒さを感じる」、「et」は「そして」という意味です。
背景を見てみると
『星の王子さま』のお話しを始める前に、このお話しを捧げるのが1人の大人であることについて、作者は子どもたちに謝罪し、その理由を説明しています。
第1の理由は、この大人が作者の親友であることでした。
第2の理由は、この大人は(他の多くの大人と違い)、子どもの本さえもわかる人であることでした。
そして今回のフレーズは、第3の理由に当たる部分です。
「elle」とは?
今回のフレーズにある「elle」は、「avoir faim et froid(おなかがすいていて、寒い思いをしている)」「cette grande personne(この大人)」、つまり作者の親友である「LEON WERTH」氏ですね。
彼はフランスに住んでいます。
第2次世界大戦中に書かれたこの作品の、時代背景が感じられるのは、この1フレーズだけといっていいと思います。
「第1」は特別
フランス語で「第1・第2・第3…」と言うには、基本的に「数字 + ième」にするだけです。
語尾が「e」で終わるので、女性形も同じ形・同じ発音です。
ただし「第1」は特殊で、男性形が「premier」女性形が「première」になります。
また「9(neuf)」の「f」が「v」になる、「4(quatre)」の「e」を取るなどの点には注意してください。
元の数字部分の語尾の子音が、「+ ième」によって発音されるようになるという変化もあります。
(第2・第6・第10の「x」、第3の「s」など)
- Premier/Première
- Deuxième
- Troisième
- Quatrième
- Cinquième
- Sixième
- Septième
- Huitième
- Neuvième
- Dixième
フランスは女の子、日本は男の子
先ほど、「France」の「F」が大文字になること、女性名詞なので定冠詞が「la」になることをご紹介しましたが、国の名前にも姓があるのがフランス語です。
女性名詞の国には他に、「l’Allemagne(ドイツ)」「l’Italie(イタリア)」「l’Espagne(スペイン)」「la Chine(中国)」など。
日本は男性名詞で「le Japon」です。
男性名詞の国には他に、「le Canada(カナダ)」「le Brésil(ブラジル)」「le Danemark(デンマーク)」「le Luxembourg(ルクセンブルク)」などがあります。
なぜフランスは女の子、日本は男の子になるのか、とも思いますが…。
「l’Allemagne(ドイツ)」「l’Italie(イタリア)など、母音で始まる国名の場合は定冠詞が「l’」になるので、単に「男性名詞/女性名詞」としてよりも、「定冠詞 + 国名」で覚えるのがおススメです。
この記事を音声で聞くなら
シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
コメント