実は身近な単語が名前に!
日本語にはフランス料理が定着しているので、誰でも知っているお菓子や食べ物の名前がいくつもありますね。
でも、そうしたお菓子や食べ物が何を意味するのかは知っていても、その名前の由来は知らず、ただ単にお菓子につけられた名前だという以上は知らない方が多いのではないでしょうか?
名前の由来を知ることで、その単語の他の意味を知ることができますし、覚えやすく忘れにくいというメリットもありますね!
choux à la crème シュークリーム
日本で「シュークリーム」として知られているお菓子は、フランス語だと「choux à la crème」です。
お菓子自体は、フランスでも日本で売っているのとほぼ同じものが売られていますが、このお菓子の名前は、形が「choux(キャベツ)」に似ていたことからつけられています。
なお、フランス語で「choux」と呼ばれるのは、日本で売っているタイプのキャベツだけではありません。
「choux-fleur(カリフラワー)」「choux-brocoli(ブロッコリー)」「choux de Bruxelles(芽キャベツ)」など、すべて「choux」の仲間です。
ちなみに、「シュークリーム」の形の元になったと言われる「choux-blanc(キャベツ)」は日本のキャベツよりもかなり固く、加熱料理用の野菜です。
最近は、大きなスーパーなどに行くと日本のキャベツのように柔らかくて千切りキャベツに向くタイプがあり、こちらは「choux-doux(やわらかいキャベツ)」という名前で売られています。
éclair エクレア
「エクレア」は、シュークリームと同じシュー生地を細長く絞り出してオーブンで焼いた後、チョコレートやコーヒークリームなどを中に詰め、表面にもチョコレートなどをかけたお菓子ですよね?
フランスにも同様のお菓子があり、「éclair」と呼ばれます。
エクレアの語源になった名まえそのままです。
ただし「éclair」は、そもそも「(雷の)いなづま」や「稲光」、さらに、速い光という意味の「閃光(せんこう)」や「フラッシュ」のことです。
また、こうした意味が転じて「visite éclair à Paris(パリ電撃訪問)」などのようにも使われます。
mille-feuille ミルフィーユ
「ミルフィーユ」は、何層かのパイ生地の間にカスタードクリームなどを入れたお菓子のことです。
フランスの「mille-feuille」も同じですが、その名前の由来は「mille(数字の1000)」と「feuille(葉・紙など)」です。
たくさんの薄い生地を重ねてサクサク感を出していることから、この名前がついたようです。
なので、フランス語の「mille-feuille」と日本語の「ミルフィーユ」の意味は同じなのですが、「ミルフィーユ」という発音は、大きな誤解を招きかねません。
もしもフランス人ネイティブが「ミルフィーユ」という発音を聞いたら、まちがいなく「mille filles(1000人の女の子)」のことだと思うからです。
「mille-feuille」の発音は違うのだということを、しっかり覚えておきたいですね!
parfait パフェ
「チョコパフェ」「イチゴパフェ」のように使われる「パフェ」ですが、元のフランス語の「parfait」は、「完全な」「完ぺきな」などの意味で使われる言葉です。
そもそもこの名前がついたのは、「完ぺきなデザート」という意味からだったそうです。
ただし、フランスのレストランで「parfait」というメニューがあることは少なく、同じようなデザートを頼みたい場合は「chocolat liégeois」「café liégeois」などの方が一般的です。
なお「liégeois」は、「(ベルギーの)リエージュの」という意味です。
piment ピーマン
野菜の「ピーマン」もフランス語由来の外来語ですが、元になったフランス語の「piment」は、「トウガラシ」のことです。
フランス料理にトウガラシなどの辛みが使われることはあまりなく、スペインに近い南西部で若干有名な地方があるのみです。
日本のピーマンのような小さいものはあまりなく、似ている野菜は日本で「パプリカ」として売られている「poivron」ぐらいです。
なお、発音が似ている食べ物に「poivre(コショウ)」があります。
くれぐれもお間違えなく!
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