86 イメージは日本語と同じ! Parce que les fleurs sont éphémères.

éphémère カゲロウ その他(王子さま)
éphémère カゲロウ

1000年以上前から共有

今回のフレーズにある「éphémère」は、ある名詞を元にした形容詞なのですが、その名詞が与えるイメージが、なぜか日本とフランスで一緒です。 

それも、日本の文献で確認できるのは、平安時代だというのですから、驚きです。 

日本人はフランス人を、フランス人は日本人を知らない頃から、同じイメージを共有していたなんて、不思議ですね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Parce que les fleurs sont éphémères.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第15章の後半にあります。 

地理学者のセリフです。 

「parce que」 

「なぜなら」「だから」を意味する「parce que」は2つの単語に見えますが、辞書でも1つの単語として扱われています。 

「pouquoi(なぜ)」で聞かれたら「parce que」で答えるのが、やはり定番です。 

「les」 

「les」は「ある特定のもの」を指すときに使われる、定冠詞の複数形です。 

複数になると、男女ともに同じ「les」を使います。 

「fleurs」 

「fleurs」は、「花」を意味する女性名詞「fleur」の複数形です。  

「sont」 

「sont」は、英語の be動詞に相当する、être動詞の3人称複数の活用形。 

「彼ら」「彼女たち」などが主語になり、意味は「~です」に当たります。 

「éphémères」 

「éphémères」は、「はかない」「つかの間の」「1日限りの命の」などの意味の形容詞「éphémère」の複数形です。 

背景を見てみると 

地理学者は、王子さまの星について聞き取りをしていますが、バラの花に関しては記録に残さないと言うので、王子さまは怒って理由をたずねます。 

今回のフレーズは、地理学者が理由を説明している部分です。 

「éphémère」とは? 

今回のフレーズにある「éphémère」は形容詞ですが、この言葉の元になっているのは名詞の「éphémère」です。 

名詞の意味は「カゲロウ」という虫。 

羽が薄くて弱々しく見える上に、成虫になると命が短いので、「はかない」ものの象徴にされています。 

éphémère カゲロウ
éphémère カゲロウ

日本語でもイメージが同じ 

「カゲロウ」は漢字にすると「蜻蛉」で、日本でも同じように、「はかない」ものとされてきました。 

その歴史は古く、平安時代の『蜻蛉日記』にも、はかないものとして書かれています。 

『蜻蛉日記』の時代には、日本・フランスの両方が、相手の存在すら知らなかった頃ですよね? 

それでもカゲロウが「はかない」ものと扱われていたのは一緒。 

不思議な存在です。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

コメント

タイトルとURLをコピーしました