【バイリンガル子育て】3歳では遅い? のちのち後悔しないために②

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出産後の現実

前回は「【バイリンガル子育て】3歳では遅い? のちのち後悔しないために①」というタイトルで、妊娠中にバイリンガル子育ての先輩にもらった、アドバイスの内容を中心にお伝えしました。 

そして出産後の現実は、想像とかなり隔たりがあったということに触れました。 

今回は、この想定外の出来事の詳細とともに、「三つ子の魂百まで」とは言うものの、「3つまでではない」と考える理由についてもお話しします。 

想定外だったこと、その1 

想定外だったのは、まず、子どもは何の苦もなく、フランス語を話すようになったことでした。 

前述通り、フランス人の主人は仕事で忙しく、長期出張までするほどだったので、子どもが起きているような時間帯には、ほぼいません。 

おまけに当時住んでいた家は、ブドウ畑の中の1軒屋で、ご近所づきあいもありません。 

子どもにとっては、まるで母子家庭に近い環境だったのにもかかわらず、心配していた私が拍子抜けするほど、幼稚園に入る前の段階ですでに、流ちょうなフランス語を話すようになりました。 

想定外だったこと、その2 

そして、かなり小さな頃から、子どもの意識の中には「日本語で話すべき人」と「フランス語で話すべき人」の区別があったようです。 

上の子が1歳になる前の、まだ本人はいくつかの単語を言えるようになったばかりの頃に、子連れで友人の家に遊びに行きました。 

友人は日本人、ご主人はフランス人です。 

友人と日本語で話している最中に、フランス人のご主人が帰ってきたのですが、子ども好きの彼は、私の子どもに日本語で話しかけたのです。 

すると子どもは、とても驚いて、頭の中が混乱してしまったようでした。 

つまり、子どもの意識の中にある「フランス語で話すべき人」が日本語を話したので、驚いたようです。 

驚いたのは私や友人夫婦も同様で、まだほとんど話すことのない子が、すでに日本語とフランス語を別々に認識していたのが鮮明に理解できた瞬間でした。 

想定外だったこと、その3 

想定外のできごとは、この後加速度的に増えます。 

話し出すようになった子どもは、日本語とフランス語の切り替えで困っている様子はありませんでした。 

自分で話す前に、頭の中で2つの国語辞書が出来上がっていたかのように、日本語とフランス語を瞬時に、同レベルで話すようになったのです。 

主人がいる時には、意図せずほぼ同時に、日本語とフランス語で話しかけてしまうこともあったのですが、子どもは全く困らず、主人にフランス語、私には日本語で返事をします。 

この「2つの辞書」については、お世話になった小児科医に言われていたので、それほど驚かずに済みましたが、ここまで見事にスイッチのオンとオフができるものかと、思わされました。 

想定外だったこと、その4 

さらに意外だったのは、学校教育でした。 

フランスの義務教育は、幼稚園から始まります。 

誕生月の関係で、上の子はほぼ3歳ちょうど、下の子は2歳半で入園したのですが、入園からの1週間ほどで、状況がガラリと変わりました。 

日本語に関しては、本当に音を立てて崩れるかのごとく、それまで積み上げてきたものがゼロになってしまったかと思うほどの衝撃でした。 

やはり、学校教育は侮れないと悟ったものです。 

「piedが痛い」 

それは、何の前触れもなくやって来ました。 

入園から1週間が経とうとしていたある日、その日は幼稚園がお休みだったので、いつものように、子どもと私が2人で過ごしていました。 

すると子どもは、「piedが痛い」と言ったのです。 

「pied」とは、足のこと。 

入園前にはあり得なかったことですが、日本語で話すのが面倒になったようでした。 

何歳までに基礎をつくるべき? 

このときの対処に関しては、また別の機会を作って、お話ししようと思いますが、もしもこの時点で基礎が出来上がっていなかったとしたら、バイリンガル教育どころか、子どもと私の関係性も変わっていたのではないかと思います。 

当時子どもは、3歳になる直前でした。 

私の感覚では、子どもが自分の言いたいことがある程度言えるようになる前に、基礎をつくっておく必要があると思います。 

その状態が何歳何ヶ月なのかには、かなり個人差があるので、一概には言えませんが、2歳のお誕生日よりは、かなり前なのではないかと考えています。 

最近の脳科学に納得と既視感 

なお、ここでお話ししている「基礎」についても、別の機会にお話ししますが、これは「バイリンガル教育としての日本語」が含まれるものの、それだけではありません。 

実際に子育てをするまでは漠然と、赤ちゃんの成長、イコール身体が大きくなることぐらいにしか考えていなかったのですが、バイリンガル教育を目指したおかげで、たくさんの気づきがありました。 

最近の脳科学の研究の進歩で、赤ちゃんの脳の発達についての研究も進んでいるとか。 

キチンと勉強したわけではありませんが、特に言語分野の発達に興味があるので、そうした情報に触れるたびに納得すると同時に、既視感を感じています。 

「三つ子の魂百まで」 

「三つ子の魂百まで」ということわざでも、人の人格や性格は、3歳頃までにつくられると言っているようですが、逆に言うと「3歳には出来上がっている」ということではないでしょうか? 

私が感じた「3つまでではない」というのも、矛盾していないように思います。 

これは「バイリンガル教育の基礎」、しかも「両方の言語でネイティブになる」という意味でのことですが、これがしっかりできていれば、ことわざ通り100歳まで、つまり大人になっても変わらない、その結果、忘れないようです。 

もしもこれから子育てを、しかもバイリンガルで、とお考えの方に参考にしていただけると、うれしいです。 

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