51 共感するときに便利な表現! Il n’y a personne là-bas non plus…

その他(王子さま)

便利な「non plus」 

今回のキーワードは「non plus」。 

このフレーズを丸ごと覚えることによって、「non plus」の使い方をしっかり身につけることができます。 

実はこの表現、フランス語に不慣れな人には、本当に便利な使い方ができます。 

この記事の後半で、この使い方もご紹介しますね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「Il n’y a personne là-bas non plus…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第10章の中ほどから後半に差しかかったところにあります。 

第10章では、王子さまと、訪問先の偉ぶった王様との会話が続きます。 

今回のフレーズは王子さまのセリフです。 

「il n’y a」 

「il n’y a ~」は、 「il y a ~」の否定形です。 

「il y a ~」で「ある」「いる」などの意味なので、「il n’y a ~」で「ない」「いない」になります。 

「il」 

「il」は3人称代名詞単数で、「彼」を表すのですが、モノやコトを受けて「それ」の意味になることもあります。 

そして、場合によっては特に意味を持たないこともあり、今回の使い方もそれに当たります。 

「n’y」 

否定の「ne」と、代名詞の「y」が合わさった形です。 

本来の「y」は「そこ」などの意味ですが、ここでの「y」は意味を持たず、「il y a ~」という、決まった形の一部であるだけです。 

「a」 

「a」は、英語の「have」に相当する動詞、「avoir」の直説法現在三人称単数の活用形です。 

「il y a ~」の形で使うなら、後ろに複数形が来ても「a」のままです。 

ただし時制は変化するので、過去形や未来形への変化はあり得ます。 

「personne」 

女性名詞で「人」です。 

「Il n’y a personne」で「誰もいない」になります。 

「là-bas」 

「là-bas」は「あそこ」を意味し、離れた場所を表します。 

「là」だけでも「そこ」「あそこ」の意味ですが、「là-bas」とすることで、十分に離れた「あそこ」になります。 

「là」には「a」にアクセントがついていて、定冠詞の「la」とは異なります。 

「non plus」 

「non plus」は、否定表現と共に使われて、「~も(また)~ではない」の意味です。 

このフレーズの前半に「Il n’y a」という否定表現があるので、これとペアになっていることが分かります。 

後で詳しく見ていきます。 

背景を見てみると 

今回のフレーズの前で、王様に法務大臣するからと、引き留められた王子さま。 

でも極端に小さな星なので、法務大臣になっても「裁くべき人など誰もいない」と王子さまは言います。 

どうしても王子さまを引き留めたい王様は、自分の年齢を言い訳に、小さな星の全容を把握していないと、とぼけます。 

すると王子さまは、かがみこんで星の裏側をのぞき、今回のフレーズを言うのです。 

「あそこ」とは? 

このフレーズの「あそこ」とは、背景から「王様の星の裏側」ということがわかります。 

「Il n’y a personne là-bas」で、「あそこに誰もいない」つまり、星の裏側に誰もいないことになります。 

「non plus」の対象は? 

先ほど、「non plus」は「~も(また)~ではない」という意味だとご紹介しました。 

つまり「Il n’y a personne là-bas non plus」で、「あそこにも誰もいない」となるのですが、この「あそこ」は、王様の星の裏側でした。 

今回のフレーズより前の段階で、王様から見える範囲に誰もいないことがわかっているので、「là-bas non plus(あそこにも)」と言ったのですね。 

口語の「non plus」 

「non plus」は、否定表現と一緒に使うのですが、必ずしも1つのフレーズ内に両方を入れなければいけないわけではありません。 

特に話し言葉では、分けて使われることが多くなります。 

「non plus」の使用例 

例えば、「ハワイに行ったことがない」と言われて、「私も(行ったことがない)」と答える際に、「私」を意味する「moi」と共に「Moi non plus.」と言います。 

「あの人のことは知らない」と言われて、「Moi non plus.」、「パーティーに呼ばれているけど行きたくない」と言われて、「Moi non plus.」という具合です。 

相手のフレーズに否定表現が入っているので、自分も繰り返す必要はないのです。 

「non plus」は便利! 

フランス語学習の入門期は、動詞の活用を気にしたり、名詞の性に気をつけたりするのが、どうしてもストレスになります。 

でも、「Moi non plus.」には、動詞や名詞がないので、変化がないのです。 

相手が否定表現を使って「あ~、疲れたな~。もう力が出ないよ~!」などと言ったら、チャンス! 

すかさず「Moi non plus…」と共感するあいづちを打ってみましょう。 

相手との心理的な距離が縮まるかもしれませんよ! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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