3 フランス語らしい読み方を身につけよう! C’est un avion.  C’est mon avion.

動詞

動詞のあるフレーズ 

このシリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】では、やさしいものから少しずつ難易度を上げるので、始めの2回は動詞なしのフレーズを扱いました。 

今回は、いよいよ動詞が登場します。 

フランス語らしい読み方

まず気をつけたいのは、今回の2つのフレーズの発音です。 

どちらもごく短いフレーズで、しかもほとんど同じ単語で構成されているのですが、読み方が若干異なります。 

特に1つ目の「C’est un avion.」には、単語を1つずつ発音する場合と異なる3つの例外が、この短いフレーズにすべて入っています。 

これを覚えるだけで、例外の読み方の規則が3つともマスターできるので、とってもおススメです。 

後半で詳細をご紹介するので、ぜひご自身でも練習してみてください。 

また、「鼻母音」が複数あるので、この両方を意識することで、フランス語らしさが出ます。 

このフレーズの場所と背景

では、読み方や動詞について触れる前に、今回扱う「C’est un avion.」と「C’est mon avion.」の2つのフレーズの場所と背景を確認しておきます。 

「C’est un avion.」と「C’est mon avion.」は、第3章の始めにあります。 

この2つは続いて登場するのですが、第3章始まってすぐの会話で、王子さまの質問に答える形で、語り手の男性が言うセリフの中にあります。 

「c’est」 

さあ、ここからは単語を1つずつ見ていきます。 

まず「c’est」は「ce」と「est」という、2つの単語が合わさってできています。 

つまり「ce + est = c’est」ということです。 

「ce」

「ce」は「これ(それ・あれ)」を意味します。 

日本語では距離によって、「これ・それ・あれ」の使い分けますが、フランス語では特に必要ない限りは区別しません。 

「est」

このフレーズの動詞が「est」です。 

英語の be動詞に当たる、動詞 être の3人称単数の活用形です。 

3人称単数といえば、「彼」「彼女」などなのですが、「ce」にも3人称単数の活用形が使われます。 

意味は「これ(それ・あれ)は~です」

「c’est」の形で、意味は「これ(それ・あれ)は~です」。 

英語の「it’s」に当たり、とてもよく使われます。ぜひこのままの形で覚えてください。 

「avion」 

フレーズの語順ではありませんが、先に「avion」に触れておきます。 

男性名詞で、「飛行機」全般を指す単語です。 

飛行機の種類や特殊な飛行機について言う場合には、後ろに形容詞などをつけます。 

「un」

不定冠詞の男性・単数です。 

後ろに来るのが男性名詞で単数の「avion」なので、「un」が使われています。 

不定冠詞について 

定冠詞が「特定できるあるもの」に使うのに対して、不定冠詞は「一般的な何か」に対して使います。 

日本語にはない概念なので、定冠詞・不定冠詞のどちらを使うべきなのかがわかりにくいと思いますが、このフレーズの例だと、「un avion」で「飛行機と呼ばれるもののうちの1つ」を表しています。 

これでもまだわかりにくいですよね? 深掘りしていきます。 

訳が変わる可能性 

このフレーズは、王子さまの質問への答えの一部なのですが、飛行機というもの自体を知らない王子さまに、語り手が説明してあげている場面です。 

こうした背景を無視すれば、「C’est un avion.」は「これは飛行機です。」になりますが、背景を考えれば、「これは飛行機というものです。」と言っていると考えられます。 

なぜ不定冠詞が使われている? 

このフレーズの時点では、対象になっている飛行機は「世界中にいくつもある飛行機の中の1機」であって、どれか1機に特定できる飛行機ではありません。 

そのために定冠詞ではなく、不定冠詞の「un」が使われているのです。 

「mon」

ただし、1つ目のフレーズで「どこにでもある飛行機のうちの1機」かのように扱われていた飛行機ですが、その扱いはすぐに変わってしまいます。 

同じようなフレーズを繰り返しているのに、2つ目の方は、不定冠詞の「un」から、「私(ぼく・オレ)の」を意味する「mon」に変化しているからです。 

特別感を出している 

王子さまに質問されて、語り手はとっさに飛行機であることを説明したのが1つ目のフレーズです。 

でも、こうした説明では「~というもの」であることを言うので、どこにでもあるものの1つを表す不定冠詞が使われてしまいます。 

けれど語り手の目の前にある飛行機は、これまで自分を乗せて来てくれた大事な飛行機で、この飛行機が再び動かないと、語り手の命も危ないほどの存在です。 

そのため、2つ目のフレーズでは、自分のものであると言い直すために「mon」を使ったのですね。 

「mon」の代わりに定冠詞などを使うと… 

2つ目のフレーズは、特別感を出すために「mon」が使われていますが、普通は次のようになります。 

「これは飛行機(というもの)です」:不定冠詞使用 

「(この)飛行機は故障しています」:定冠詞または指示代名詞使用 

読み方について 

冒頭で、1つ目のフレーズ、「C’est un avion.」には、単語を1つずつ発音する場合と異なる3つの例外がすべて入っているとお伝えしました。 

この3つの例外で一番有名なのが「liaison」ですが、似たような例外があと2つあります。 

それぞれの名前を覚える必要はありませんが、どういう場合に音がつながるのかを知っておくことは大切です。 

「liaison」

「liaison」は続ける音のこと。 

具体的には、語末の発音されない子音が、次の単語の先頭の母音と一緒に発音されます。 

「C’est un avion.」の中では、「est」の「t」と「un」の「u」を一緒に発音する部分が「liaison」です。 

「enchaînement」 

「enchaînement」は「liaison」にとてもよく似ています。 

語末の発音される子音が、次の単語の先頭の母音と一緒に発音されます。 

「C’est un avion.」の中では、「un」の「n」と「avion」の「a」を一緒に発音する部分が「enchaînement」です。 

「élision」 

「élision」は、2つの単語をつなげた時に、1つ目の語末の音を省略し、「’」をつけたものです。 

「C’est un avion.」の中では、「C’est」の部分に当たります。 

本来は「ce」と「est」という2つの単語でしたが、「ce」の「e」を省略して「’」に置き換えて、両方を一緒に発音します。 

「C’est mon avion.」の発音 

2つ目のフレーズ「C’est mon avion.」の場合は、「liaison」が起こりません。「est」の後に来る「mon」が母音から始まっていないからです。 

「mon」の「n」と「avion」の「a」は、一緒に発音する「enchaînement」になります。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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