動物好きなフランス語?
フランス語には、動物の名前や、動物の身体の一部を借りた名詞がたくさん存在します。
そうした言葉は、「それが何に見えるか」という形だけではなく、「それがどんな風に動くか」という動作を非常に重視して名前をつけているのがわかります。
フランス語らしさの一端でもある、動物に由来する名詞のうち、道具の名前についてご紹介します。
「ツル」
「grue(ツル)」は、そのままの形で建設用機械の名前になっているのですが、何を意味するか想像がつきますか?
細長いアームが伸びている姿が、ツルの首や一本足で立つ姿にそっくりだったことから「grue」と呼ばれているのは、工事現場ではおなじみの「クレーン」です。
例えば
- La grue porte un bloc de béton.
(クレーンがコンクリートブロックを持ち上げている)
のように言います。
「毛虫」
「chenille(毛虫)」も、そのままの形で建設用機械の一部の名前になっています。
地面をウゴウゴとのたくるように進む動きが毛虫を連想させたことから「chenille」と呼ばれているのは、ブルドーザーの足回りである「キャタピラ」です。
例えば
- Les chenilles du bulldozer ont cassées.
(ブルドーザーのキャタピラが壊れている)
のように言います。
ブルドーザーにはキャタピラが2つあるので、ここでの「chenille」は複数形になっています。
そのため「壊れている」という意味の部分も女性複数形の「ont cassées」も複数形になっています。
もしもキャタピラが1つだけ壊れたことがハッキリしているなら、
- La chenille du bulldozer est cassée.
(ブルドーザーのキャタピラが壊れている)
になります。
なお「chenille」を「キャタピラ」の意味で使う場合は、ブルドーザーだけでなく、戦車の足回りのことも指します。
日本語は説明付き
日本語でも「タコ足配線」や「ワニ口クリップ」のような名称はありますが、「タコ足配線」は「タコの足のような配線」、「ワニ口クリップ」は「ワニの口の形をしたクリップ」のように、説明がされています。
日本語では、動物の名前をそのまま使う例は、どちらかというと業界用語に多いようです。
それに対し、フランス語の「grue(ツル・クレーン)」「chenille(毛虫・キャタピラー)」は両方とも、鳥や虫の名前がそのまま名前になっています。
順序が逆!
そしてフランス語では、これ以外の方法でクレーンやキャタピラを言い表すのが難しいほど、普通の人たちが日常会話で使う言葉です。
そのため、例えば「工事現場でクレーンが倒れてけが人が出た」といった報道が出た場合、テレビのニュースや新聞などでも「grue(クレーン)」という表現になります。
フランス語力ほぼゼロでフランスに住み始めた頃、私は「grue」というのは「クレーン」のことだけだと思っていました。
後で元はと言えば鳥のツルのことだったと知って、返って驚いてしまったのを覚えています。

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