【フランス語勉強法】文法は大切ですか?

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ネイティブでも難しい、フランス語の文法

少しでもフランス語に触れたら誰でも思うはずですが、
フランス語の文法は、本当にやっかいですよね?

母国語がフランス語であるフランス人でさえ、
「あ~! だからフランス語ってやつは~!」などと言っているので、
外国人である日本人が難しいと思うのは当然です。

やっかいなフランス語の文法ですが、
「文法は大切か?」への問いかけに答えるなら、
「大切だが絶対ではない」ということになります。

では、なぜ大切なのか、
なぜ絶対ではないと言えるのかについてお話ししますね。

文法を無視して話した結果

私はほぼフランス語が話せないのにもかかわらず、
フランス語しか話さない相手と結婚し、
車がないとどこにも行けない田舎に突然やって来るという経験をしました。

当時はインターネットという武器がなく、国際電話さえ高価だった頃です。

このような状況では、フランス語ができないということは許されません。

フランス語を身につけないという選択肢はなく、
本当に待ったなしに、何が何でもフランス語で話さなければなりませんでした。

ごく初めの頃は相手の言うことに全集中して聞き、
わかる単語をつなげて想像を働かせて何とか理解しようとしていました。

そして自分の言いたいことは、無我夢中で単語をつなげて話しましたが、
相手には伝わっていないようでした。

「必要最低限の文法」を使うまで

そこで思い当たったのは、やはり文法でした。

当時の私の話しは文法がめちゃくちゃで、
相手には私が何を言っているのかが、
さっぱり分からなかったようなのです。

そこで、日本から持って来ていた文法書を読み返してみました。

この時点で、すでに3度ぐらいは読んでいた文法書ですが、相変わらずややこしく、
特に最後のほうの時制などは、どう考えても使いこなせる自信が持てず、
途方に暮れてしまいました。

それでも、私にはフランス語をあきらめるという選択肢はありません。

日本・フランスの両方で家庭の事情が激変してしまっていたので、
日本に逃げ帰ることはできなかったのです。

「必要最低限の文法」とは?

人間は、追いつめられると知恵が働きます。

自分にとって何が難しいと感じるのか、
それを解決する方法はあるのかを考えました。

その結果、時制が複雑で覚えるべき動詞の活用があまりにも多く、
これをそのまま覚えようとするには膨大な時間がかかるため、
現実的ではないと判断しました。

また、名詞の性別に関しては規則性があるわけではないので、
1つずつ個別に覚えるしか方法はなく、
名詞に関しては、ある程度の時間がかかるのもやむなしと判断しました。

とすれば、やはり動詞の時制を単純化してしまうしか方法はないと悟ったのです。

その具体的な方法は別記事で説明しているので、ここでは詳細を省きますが、
動詞の時制を「現在」「過去」「未来」の3つに絞ることにしました。

そしてとりあえず覚えるのは、4種類の動詞のみに厳選してしまったのです。

少々乱暴なのはわかっていましたが、
私には完ぺきにマスターするまでフランス語を話さないというような時間的余裕はなく、
使いこなせない時制を覚えようとする気力もなかったので、
これ以外に方法はなかったのでした。

「必要最低限の文法」を使った結果

当時はまさに「サバイバル状態」だったので、
必要最低限にすると決めたら、すぐに行動しました。

その場ですぐに必要な動詞を覚えてしまったのです。

何しろ4種類の動詞だけ、それも実際に覚えるのは28個なので、
30分ぐらいで済みました。

そして覚えた後はすぐに使って、二度と忘れないように定着を図ります。

すると効果は抜群でした!

まず、自分が言いたいことがかなり自由に言えるようになったので、
ラクになりました。
(おそらく当時の私は、急におしゃべりになったと思います)

そして相手からの反応も変化したのです。

フランスに来たばかりの時に初めて会い、3か月後に再会した主人の親戚の一人が、
かなりストレートに話しをする人なのですが、
再会時に「フランス語がうまくなったね!」とほめてくれたのです。

嬉しくなって、「ホント? ありがとう!」と喜ぶ私に、
その人はさらにひと言
「だって、最初に会った時にはあなたが何を言っているのか分からなかったけど、今はわかるもの!」

…少しへこみましたが、大した努力なく、2ヶ月程度で結果の出た、
「必要最低限の文法」の効果を実感した瞬間でした。

文法は絶対ではない?

私の場合、「必要最低限の文法」のみで過ごした期間が結構ありました。

外国での初めての出産と育児が重なってゆっくり勉強できなかったので、
時制にこだわるよりは語彙数を増やすべきだと思ったからです。

その後少しずつ他の時制も使えるようになりましたが、
自分が使えるようになってみると、ネイティブでも文法を間違う人がいたり、
時代とともに語彙や文法自体が変化していることを実感するようになりました。

冷静になって考えてみれば、
日本人のネイティブでも漢字の間違いなどはよくあることですし、
日本語も新語や流行語の登場などで変化しているわけです。

そもそも文法とは「こうは言うけど、そうは言わない」ということを集めたものですし、
言語は生き物のように時間の経過とともに変化するので、
絶対はありえず、まして個人レベルで言い間違いやカン違いをしていてもおかしくはありません。

それでも外国人としてフランス語を話すなら、
やはり多少は文法を念頭に置いたほうが失敗が少なくて済みます。

人によって、またフランス語を必要とする状況によっては、
これまでお話ししたような「必要最低限の文法」ではとても足りない場合もあるとは思います。

けれど、もしも文法の難しさゆえに
フランス語でのコミュニケーション自体をあきらめてしまっている方がいらっしゃるなら、
こんな例もあるということを知って挑戦してくだされば嬉しいです。

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