408 省略されているモノは何? Pas le temps de la rallumer.

その他(王子さま)

文脈を見極めよう!

今回のフレーズは短いのですが、それもそのはず、主語や動詞などが省略されています。

文脈から何を言おうとしている部分なのかを考え、何が省略されているのかを見つけましょう!

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Pas le temps de la rallumer.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第13章の挿絵から2行目にあるビジネスマンのセリフです。 

「pas le temps de la rallumer」

「pas」は否定語、「le」は定冠詞単数男性形、「temps」は男性名詞で「時間」「時代」などの意味です。

「de」は前置詞、ここでの「la」は定冠詞ではなく、目的語です。

「rallumer」は動詞の原形で「(消えた火を)またつける」という意味です。

背景を見てみると 

王子さまが4番目に訪問したのは、1人で計算ばかりを繰り返すビジネスマンが暮らす小さな星でした。

計算に夢中なあまり、くわえたタバコに火がついていないことにすら、気がついていない様子です。

王子さまは挨拶の後すぐに「あなたのタバコには火がついていない」と指摘したのですが、ビジネスマンは相変わらず計算に忙しく、口をついて出るのは数式や数字ばかり。

それでも、その合間には王子さまに挨拶を返し、今回のフレーズではタバコの火についても答えています。

回答の内容

さて背景にある通り、今回のフレーズはビジネスマンのセリフで、王子さまの指摘への回答部分です。

その王子さまの指摘とは、このシリーズの第57回で扱った「Votre cigarette est éteinte.(あなたのタバコには火がついていない)」でした。

今回のフレーズはこの指摘への回答であり、「le temps(時間)」や「rallumer(消えた火をまたつける)」という単語があるうえ、否定語の「pas」で始まっているので、「火をまたつける時間がない」と答えているのだろうということは、予測がつきます。

動詞の原形に注目!

そしてもう1つの注目ポイントは、「rallumer(消えた火をまたつける)」という動詞が原形で使われていることです。

そこで見えてくるのが、「avoir le temps de +(動詞の原形)」という言い方です。

意味は「~する時間がある」なので、このフレーズでは「わたしにはタバコの火をまたつける時間がない」という内容を言いたいのだろうということがわかります。

フレーズ本来の形

すると、主語「je(わたし)」、動詞「avoir」であり、「ne ~ pas(~ない)」の一部である「ne」が省略されていることがわかります。

つまりこのフレーズの本来の形は、次のようになります。

  • Je n’ai pas le temps de la rallumer.
    (火をまたつける時間がない)

なお、目的語の「la」に当たるのは「cigarette(タバコ)」です。

これが女性名詞の単数形なので、女性単数形の代名詞「la」が使われています。

「rallumer」について

最後に、「rallumer(消えた火をまたつける)」という動詞は、「allumer(火をつける)」という動詞に、繰り返しの接頭部分がついたものです。

繰り返しには、「re-」という形がよくつかわれますが、「allumer(火をつける)」が母音から始まっているので、「r-」のみをつけた形になっています。

  • allumer la cigarette
    (タバコに火をつける)
  • rallumer la cigarette
    (タバコにまた火をつける)

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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