若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第16回目「dico」です。
「dico」とは?
「dico」とは、「dictionnaire」の略で、「辞書」のことです。
このブログ/ポッドキャストで日常会話で使う略語をご紹介するのは16回目ですが、今回の「dico」は、もっとも若者らしさが表れている単語かもしれません。
「dictionnaire」の略語が「dico」になった背景には、フランス語の略語は語末を「o」で終わる形にすることが多いからだと思われます。
前述通り、職場の仲の良い同僚となら使う程度の略語ではありますが、目上の人などには使わない方がいい単語だということは覚えておいてください。
「dico」の使用例
さて、略語の「dico」の使用例としては、たとえば
「Tu peux me passer le dico ?」
(その辞書を取ってくれない?)
のように言います。
元の単語「dictionnaire(辞書)」が男性名詞なので、「dico」になっても男性名詞の扱いです。
例文のポイント
なお、この例文「Tu peux me passer le dico ?」は、2つの意味でカジュアルな表現になっています。
1つ目はもちろん、略語の「dico」が若者言葉に準ずる表現だからです。
そして動詞の「passer」にも、友達同士で使うニュアンスがあります。
「passer」には「(何かを)渡す」という意味がありますが、この意味で使う場合には親しい間柄であることが多いのです。
なので、目上の人などにお願いする時には、
「Pouvez-vous me prendre le dictionnaire ?」
(その辞書を取っていただけませんか?)
の方が適切です。
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