若者言葉から昇格した略語
フランス語で話していると、仏和辞書などには載っていないような言葉も耳にします。
元は若い人たちが仲間内で使っていた略語などがほとんどですが、時間とともに社会的にも認知されて、多くの人が使うようになった言葉です。
かしこまった場では使わなくても、仲の良い同僚となら使う程度の略語や派生語などを中心にご紹介します。
今回はその第6回目「Mcdo」と「KFC」です。
「Mcdo」「KFC」とは?
「Mcdo」は「マクドナルド」のこと、「KFC」は「ケンタッキー・フライド・チキン」の頭文字です。
フランスではマクドナルド、ケンタッキーともに日本よりずっと後に広まりました(特にケンタッキー)。
そもそも、フランス全土でファストフードが現在のように市民権を得たのは、21世紀になってからだと言っていいと思います。
なのでパリ以外で「ファストフードを子どもの頃から食べていた」人は、30代以下の人たちです。
日本に比べると、ひと世代は確実に遅れたのではないでしょうか?
「Mcdo」や「KFC」の広まり
ということは、「Mcdo」や「KFC」といった略語が広まったのは、10~15年ぐらい前からだと思います。
私は関東出身なので、マクドナルドは「マック」と呼びますが、その昔、大阪出身の友人に「大阪ではマクド」と呼ぶと聞いて、驚いたのを覚えています。
それから20年以上も経った後に、フランスでも「Mcdo」と呼ばれるようになって、再度驚きました。
でもよく考えてみると、フランス語の略語は語末を「o」で終わる形にすることが多いので、この形になったのだと思っています。
なお「KFC」は、ある意味便利な存在です。
というのも、鶏肉料理は宗教などによる制約が少ないので、ベジタリアンでない限りは誰もが食べられる肉料理です。
ハム、つまり豚肉が具材になることが多いサンドウィッチやピザよりも、みんなが確実に喜ぶのが、フライドチキンなのです。
「Mcdo」「KFC」の使用例
「Mcdo」「KFC」の使い方としては、
「On va manger chez Mcdo ?(マクドナルドで食べる?)」
「J’adore le poulet de chez KFC !(ケンタッキーの鶏肉が大好きなんだ!」
などがあります。
両方とも「chez」をつけて、「chez Mcdo」「chez KFC」と言うのがお決まりです。
「Mcdo」は微妙「KFC」はOK
ちなみに、この「Mcdo」と「KFC」という呼び名に関しては、2つの間に若干の温度差があります。
前述通り、フランス全土にファストフード店ができたのが21世紀になってからなので、高齢者の中にはマクドナルド自体は知っていても、「Mcdo」と言われてわからない人がいる可能性があります。
それに比べると、「KFC」は「ケンタッキー・フライド・チキン」の略だと知らない人がいるのではないかと思うほど、これ以外の呼び方はされていないように感じます。
なので、マクドナルドを「Mcdo」と呼ぶのは、相手によっては微妙ですが、「KFC」に関しては店名として認知されているので、知らない人には教えてあげられるほど、使用に差し支えのない呼び名なのです。
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