325 「faire」の活用に慣れよう! et ça le fait gonfler d’orgueil.

動詞

助動詞の「faire」

動詞「faire」の現在形は、もうこのシリーズでご紹介済みですが、少々覚えにくい活用の仕方をします。 

また、今回のフレーズの「faire」は助動詞としての使い方なので、いくつか例文をご用意しました。 

現在形と一緒に、助動詞としての使い方にも慣れてくださいね! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「et ça le fait gonfler d’orgueil.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の後半にある王子さまのセリフの一部です。 

「et ça le fait gonfler d’orgueil」

「et」は「そして」、「ça」は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。 

ここでの「le」は3人称単数男性形の目的格、「fait」は「faire」の過去分詞です。 

「faire」は単独なら「~を作る」「~をする」という意味ですが、ここでは「faire +(動詞の原形)」の形で「~させる」「~してもらう」という意味になっています。 

動詞の原形部分には「(モノが)ふくらむ」「(体の一部が炎症などによって)腫れる」という意味の「gonfler」が使われています。 

「d’orgueil」は前置詞の「de」の省略形「d’」と、「思い上がり」「うぬぼれ」を意味する男性名詞「orgueil」が合わさったものです。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、2人は険悪な状況になってしまいます。 

王子さまは花の味方をするのですが、それどころではない男性は聞く耳を持ちません。 

そこで王子さまは、ある星で出会った他の男性について語り始めました。 

前述通り、今回のフレーズは王子さまのセリフの一部なのですが、このフレーズの全体は 

「Et toute la journée il répète comme toi : « Je suis un homme sérieux ! Je suis un homme sérieux ! » et ça le fait gonfler d’orgueil.」 

というものです。 

このフレーズの始めの部分はこのシリーズの第324回で、中ほどの繰り返し部分は第33回で扱っています。 

「私は真面目な男だ」と繰り返すこの男性の姿を通して、王子さまは語り手の男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

「faire」の例文

では前述通り、「faire」の例文をご紹介します。 

ここに挙げるのはすべて「faire +(動詞の原形)」の形です。 

1~6までは「~してもらう」という意味で、主語を単数形1~3人称・複数形1~3人称の順番にしてあります。 

特殊な「faire」活用の仕方に慣れてください。 

「faire」の活用表については、このシリーズの第270回でご紹介しています。 

そしてa~cは「~させる」という意味の例文です。 

「~してもらう」の例文

「faire」現在形の活用と「~してもらう」という意味の例文です。 

  1. Je fais réparer ma voiture. 
    私は車を修理してもらう 
  2. Tu fais laver ta chemise ? 
    きみはシャツを洗ってもらうの? 
  3. Il fait venir un médecin. 
    彼は医者を呼んでもらう 
  4. Nous faisons cuire un gâteau. 
    私たちはケーキを焼いてもらう 
  5. Vous faites livrer des sushis ? 
    あなたたちは寿司を届けてもらうの? 
  6. Ils font construire une maison. 
    彼らは家を建ててもらう 

「~させる」の例文

「~させる」という意味の例文です。 

  1. Le film m’a fait pleurer. 
    その映画は私を泣かせた 
  2. Cette chanson fait sourire tout le monde. 
    この歌はみんなを笑顔にさせる 
  3. Ce succès fait gonfler d’orgueil le jeune athlète. 
    この成功は若いアスリートをつけ上がらせる 

「faire gonfler d’orgueil」について

例文Cには、今回のフレーズにある「faire gonfler d’orgueil」という表現を入れました。 

辞書通りの意味なら、「faire gonfler」は「(モノを)ふくらませる」または「(体の一部を)腫れさせる」になるはずです。 

でも、「orgueil(思い上がり/うぬぼれ)」と一緒の「faire gonfler d’orgueil」は慣用句になっていて、「つけ上がらせる」「増長させる」などの意味になるのです。 

王子さまはうぬぼれたこの男性が大嫌いなので、語り手の男性には早く気付いてほしかったのですね! 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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