【フランスでの生活】パリオリンピックでも大活躍?フランスの警察組織について

Patrouille de France その他
Patrouille de France

オリンピック聖火

パリオリンピックの聖火が、5月8日にギリシャから船で、南フランスのマルセイユに到着しました。 

日本でもニュースになったようなので、ご覧になったかもしれませんね! 

私はテレビで見ていましたが、アクシデントが起きやしないかと、ちょっと心配していました。 

それはもちろん私ひとりではなく、挨拶した人たちが口々にお礼を言っていたのが、警察などの警備担当者に対してでした。 

今回は、パリオリンピックでも活躍必至の、フランスの警察組織についてご紹介します。 

名称はいろいろ

街中で見かける警察等のみを扱いますが(私は全くの部外者なので)、実はいろんな組織があって、名称もバラバラです。 

明治時代初期に組織された日本の警察は、フランスをお手本にしてつくられたので、第二次世界大戦までは存在していた憲兵隊などが、フランスではいまだに活躍中だからです。 

お巡りさんは自治体警察

フランス語で「警察」は「police」ですが、2種類あります。 

「La Police municipale(自治体警察)」 

「La Police nationale(国家警察)」 

道路上で速度違反などを取り締まっているのが主に「La Police municipale(自治体警察)」です。 

それ以外のほとんどの業務は、「La Police nationale(国家警察)」が行っているようです。 

警察車両に書いてあるのですぐにわかるのですが、「La Police municipale(自治体警察)」を見かけると、みんながブレーキを踏むイメージですね! 

逆に「La Police nationale(国家警察)」を見ると、何か事件があったのでは、と思ったりします。 

ちょっとコワイ憲兵隊

一般道の取り締まりは「La Police municipale(自治体警察)」の仕事ですが、高速道路などだと管轄が変わります。 

「La Gendarmerie nationale(国家憲兵隊)」 

彼らは制服が違うので、車を見る前にわかるのですが、街中で見ると「あれ、誰か偉い人が来るのかな?それとも大事件?」と思います。 

日本の年配の方に「フランスには今でも憲兵隊いる」と言うと、戦争の頃のイメージがあるらしく、ものすごく驚かれてしまいます。 

でも現在では、女性隊員も見かけます。 

フランスの古い喜劇映画には、「La Gendarmerie nationale(国家憲兵隊)」が妙な活躍をするシリーズがあって、この中でさかんに「les gendarmes」と言っています。 

「les gendarmes」とは、憲兵隊員のことです。 

かなりコワイ機動隊

街中で見かけると「えええっ!何があったの~?」と思う存在がいます。 

「La Compagnie républicaine de sécurité(共和国保安機動隊)」 

略称「CRS」で、車や着ている制服にもこう書いてあります。 

彼らは大きな銃を持っているので、ひと目でわかりますが、体を張って守ってくれる存在なので、ありがたくも申し訳なくも思ってしまいます。 

極め付きは軍人

そして極め付きが、やはり軍人さんですね。 

「L’Armée de terre(陸軍)」 

「CRS(機動隊)」までは、警察の制服に近い服装なのですが、陸軍の隊員は迷彩服ですし、自動小銃と言うのでしょうか、武器を持っています。 

幸い、と言っては失礼ながら、お会いするチャンスはほとんどありませんが、大きな町でテロ対策が強化されている時には見かけたことがあります。 

オスカルは近衛兵

ところで、マンガ『ベルサイユのばら』の主人公のひとり、オスカルは近衛兵です。 

もちろん架空の人物ですが、『ベルばら』はフランスでも読まれています。 

近衛兵は基本的に国家要人の警護が担当なので、現在よく見るのはテレビで、ですね。 

「La Garde Républicaine(共和国親衛隊)」と言います。 

今では「共和国親衛隊」と訳されるようですが、フランス語では「近衛兵」の時代から同じ単語です。 

ナポレオンの時代には「impérial(皇帝の)」という形容詞がついた「La Garde impériale」でしたし、王制の頃はやはり「royal(王の)」がついた「La Garde royale」でした。 

オスカルは王制時代の近衛兵なので、「La Garde royale」だったんですね! 

ちなみに警察組織から軍に至るまで、ご紹介した単語はすべて女性名詞なので、形容詞は女性形になっています。 

空軍のアクロバットチーム

最後に、警備や警護担当ではありませんが、パリオリンピックでも必ず目にするはずのアクロバットチームについて。 

フランスの国家行事では毎回おなじみの、国旗「bleu blanc rouge(青白赤)」を飛行機で空に描くチームです。 

彼らの所属はフランス空軍です。 

「Patrouille de France(フランス航空宇宙軍アクロバットチーム)」 

パリ近郊ではなく、南フランスの「Salon de Provence」というかわいらしい町に本拠地があります。 

オリンピック最中ではなくても、観光などでフランスを訪れるなら、大なり小なりお世話になっている警察組織。 

見かけたらぜひ、フランス語の名称を確認してみてくださいね! 

この記事を音声で聞くなら

この記事は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックで該当するエピソードに飛びますので、よろしければお使いくださいね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました