231 よく似た2つの言葉!よく使うのは? Alors elles s’écrient :

動詞

覚えるべきは?

今回のフレーズにある言葉には、発音・スペル・意味ともによく似た類義語が存在します。 

使い方によってはニュアンスの差があるものの、片方は普段の生活であまり使われません。 

2つの違いとともに、まず覚えるべき言葉をご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Alors elles s’écrient :」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の中ほどにあります。 

第4章の3枚目の挿絵のすぐ後の段落にあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「alors elles s’écrient」

「alors」は「その時」「それなら」「それだから」などという意味です。 

「elles」は「彼女たち」「それら」、「s’écrient」は「叫ぶ」「声を大にして言う」という意味の「s’écrier」の活用形(現在形)です。 

背景を見てみると

語り手の男性は、王子さまの星だと考える小惑星、B612の発見にまつわる話しから、大人たちの性質へと、話題がシフトしています。 

大人たちは物事の本質を見ようとしないので、例えば新しい友だちについて話すなら、その人の年齢や体重、果ては父親の収入など、数字にしか興味がありません。 

これは人に関することだけでなく、モノについても同じことです。 

例えばある家について話すなら、その家の値段を言うのが手っ取り早いのです。 

今回のフレーズでは、家の値段を聞いた大人たちの反応が示されます。 

ここでの「elles」

さて背景からわかる通り、ここでの「elles(彼女たち/それら)」は、「les grandes personnes(大人たち)」のことです。 

複数女性形になっているのは、「les grandes personnes(大人たち)」のうちの名詞部分「personnes」が複数の女性名詞だからです。 

「s’écrier」

ところで前述通り、「s’écrier」は「叫ぶ」「声を大にして言う」という意味です。。 

本来は「se」+「écrier」のところ、「écrier」が母音から始まっているのでこの形「s’écrier」になっています。 

「se」は「再帰代名詞」と呼ばれる部分ですが、詳細については、このシリーズの第140回でご紹介していますので、参照してください。 

ただしこの動詞は「se」のつかない「écrier」だけで使われることがあまりありません。 

意味・形がよく似た「crier」という動詞があり、こちらの方がよく使われています。 

「s’écrier」と「crier」

「叫ぶ」「大声で言う」と言いたい場合、通常使われるのは「crier」の方です。 

例えば「Il crie très fort. (彼はとても大きな声で叫ぶ)」などです。 

では「s’écrier」と「crier」の違いはというと、「s’écrier」を使った場合には、「crier」に比べて喜びや驚き・恐怖など、強い感情を伴なって大声を出す場合です。 

例えば「Il s’écrie de joie. (彼は喜びの叫びをあげる)」などです。  

普段よく使うのは?

「s’écrier」と「crier」には、共通して「叫ぶ」「声を大にして言う」という意味があり、その違いは強い感情のあるなしです。 

でも「s’écrier」を聞くことは、あまりないかもしれません。 

どちらかというと「s’écrier」の方は、文学作品で見かけるイメージの動詞です。 

普段の生活では、先ほどご紹介した「Il s’écrie de joie. (彼は喜びの叫びをあげる)」の代わりに、「Il crie de joie. (彼は喜びの叫びをあげる)」と言うことがよくあり、あまり区別して使われていないからです。 

どちらか1つを覚えるなら、「crier」を覚えることをおススメします。 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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