「venir」
前回に引き続き、今回のキーワードも「venir(来る)」です。
このシリーズの第198回でご紹介した「17の変わり者動詞」の1つだからです。
なお、この新メンバーは「venir」だけではありません。
関連する他の動詞も一緒にご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Tu viens donc d’une autre planète ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第3章の前半にあります。
1枚目の挿絵の4行前にあるフレーズで、語り手の男性のセリフです。
「tu viens donc」
「tu」は2人称代名詞単数「きみ」「おまえ」などです。
「viens」は「来る」という意味の動詞「venir」の活用形(現在形)です。
「donc」は「それゆえ」「したがって」という意味です。
「venir」は、「venir + de +(場所)」という形で「~から来る」「~の出身である」という意味になります。
この後に「d’une autre planète」があるので、この「venir + de +(場所)」という形に当てはまります。
「d’une autre planète」
「d’une」は、前置詞の「de」と不定冠詞単数女性形の「une」が合わさってできています。
「autre」は「別の」「他の」などの意味、「planète」は女性名詞で「惑星」という意味です。
背景を見てみると
王子さまは、人里離れた砂漠に突然現れた子どもですし、何の不自由もない様子なので、語り手の男性は不思議に思っています。
男性は王子さまにいくつも質問してみるものの、まともな答えが返って来ることはありません。
それでも話しているうちに、王子さまは男性に「きみも空からなんだ!どの惑星から来たの?」と聞いてきました。
それに対する男性の反応が、今回のフレーズです。
新メンバーご紹介
さて今回のタイトルや冒頭で触れたとおり、「venir(来る)」はこのシリーズの第198回でご紹介した「17の変わり者動詞」の1つです。
「17の変わり者動詞」というのは、私が勝手に命名したものですが、過去を表す時に「être」を使う17の動詞のことです。
また、「venir(来る)」に繰り返しの意味のある「re」がついただけの「Revenir(再び来る/戻ってくる)」も関連単語として、一緒にご紹介します。
ですので「Revenir」「venir」の欄に、それぞれの意味を追加します。
なお、「Tomber(倒れる/転ぶ/落ちる)」はすでにご紹介済みです。
17の変わり者動詞
動詞 | 意味 | 登場回 |
Devenir | ||
Revenir | 再び来る/戻ってくる | 第200回 |
Monter | ||
Rester | ||
Sortir | ||
Venir | 来る | 第200回 |
Aller | ||
Naître | ||
Descendre | ||
Entrer | ||
Rentrer | ||
Tomber | 倒れる/転ぶ/落ちる | 第198回 |
Retourner | ||
Arriver | ||
Mourir | ||
Partir | ||
Passer |
フレーズの時制について
ところで、先にこのシリーズの第199回を読んでくださった方はお気づきかと思いますが、今回のフレーズでも動詞「venir」は現在形です。
第198回の「Tu es tombé du ciel ?(きみは空から落ちたの?)」は過去時制ですが、今回は「Tu viens d’une autre planète ?」で現在形です。
なので、今回のフレーズを「きみは他の惑星から来たんだ」のように、過去時制で解釈することはできません。
そのため「venir + de +(場所)」という形のもう1つの意味「~の出身である」で考えれば「きみは他の惑星の出身なの?」となり、現在形でも矛盾しません。
細かいことですが、『星の王子さま』のフランス語版をより深く味わえますよね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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