196 倒置を怖がらないで! Ce sont des mots prononcés par hasard qui, peu à peu, m’ont tout révélé.

その他(王子さま)

まず整理しよう! 

今回のフレーズには関係代名詞があり、倒置も起こっているので、少々わかりにくいかもしれません。 

でも、ひっくり返っているものは、元通りにさえすれば難しくなどありません。 

フレーズの中身を整理さえすれば、理解できますよ! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ce sont des mots prononcés par hasard qui, peu à peu, m’ont tout révélé.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第3章の始めにあります。 

第3章の始めの段落の3つ目のフレーズで、語り手の男性の説明部分です。 

「ce sont des mots prononcés」 

「ce」は「これ/それ」、「sont」は「être」の活用形です。 

「des」は不定冠詞複数形、「mots」は男性名詞「mot」の複数形で「単語」「言葉」などの意味があります。 

「prononcés」は「発音する」「宣告する」「言う」などの意味がある動詞「prononcer」の過去分詞「prononcé」が形容詞として使われたので、複数形の男性名詞「mots」に合わせて変化しています。 

「par hasard qui」 

「hasard」は「偶然」「思いがけないこと」を意味する男性名詞ですが、「par hasard」の形でよく使われ、「偶然に」「たまたま」の意味です。 

ここでの「qui」は関係代名詞です。 

「peu à peu」 

「peu」は「少量」を意味しますが、「peu à peu」で「少しずつ」の意味です。 

ここでは「,(カンマ)」で区切られてフレーズの中ほどに置かれていますが、どちらかと言うと文末に置かれることが多いです。 

「m’ont tout révélé」 

「m’ont」は1人称代名詞単数目的格の「me」の省略形「m’」と、「avoir」の活用形「ont」が合わさったものです。 

ここでの「tout」は副詞で、意味は「とても」「非常に」です。 

 「révélé」は動詞「révéler」の過去分詞です。 

「(モノやコトが主語で)(真相などを)明らかにする」という意味です。 

なおここでの「ont」つまり「avoir」は、「avoir +(過去分詞)」の形で、過去を表す表現の一部です。 

背景を見てみると 

語り手の男性は、飛行機の故障で不時着したサハラ砂漠で、王子さまに出会います。 

挨拶はおろか、理由も言わずに羊の絵をねだられて、何枚も描き直させられましたが、最終的には気に入りました。 

人里離れた砂漠に、子どもである王子さまが1人でいること、疲れたりおなかがすいたりしている様子もないことなどから、男性は不思議に思っていました。 

向こうからは、たくさん聞いてくるものの、こちらからの質問には答えようとはしません。 

王子さまがどこからやって来たのかさえ、男性が知るには長い時間がかかりました。 

今回のフレーズでは、男性がどのように王子さまについて知り得たのかが語られます。 

フレーズを整理 

では、ここで今回のフレーズを整理して、並べ替えてみます。 

倒置が起きているのは「peu à peu」の部分で、これは通常文末に来ます。 

なので、今回のフレーズの元の形は「Ce sont des mots prononcés par hasard qui m’ont tout révélé peu à peu.」ということになります。 

カンマの位置 

ここでは、あえて「,(カンマ)」を外してみました。 

すると、「ce sont des mots prononcés par hasard」「qui m’ont tout révélé」「peu à peu」のように分かれるということが見えてきませんか? 

元のフレーズでは、「qui」の後に「,(カンマ)」がついているので混乱しやすいのですが、これで整理ができそうです。 

「ce sont des mots prononcés par hasard」 

まず「ce sont des mots prononcés par hasard」で、「偶然発せられた言葉」という意味になります。 

「prononcés」が形容詞として使われているので、「発せられた」または「言われた」という意味になります。 

「qui m’ont tout révélé」 

そして「qui m’ont tout révélé」で、「~がすべて明らかにした」ということになります。 

前述通り「qui」は関係代名詞で、事実上の主語である「des mots(言葉)」を受けています。 

「qui」は主に人を表す関係代名詞ですが、特に主語になる場合はモノを表すこともあります。 

なお「avoir +(過去分詞)」の形になっているので過去になるのも、前述通りです。 

「peu à peu」 

そして、それがどのように明らかになったのかと言うと、「peu à peu(少しずつ)」というわけです。 

王子さまは質問には答えようとしませんが、男性が王子さまの言葉を少しずつつなげた結果、すっかり明らかになったということですね! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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