否定表現で覚えよう!
今回のフレーズは否定表現なのですが、同じフレーズを肯定文にしようとすると、ある部分が変化します。
タイトル通り、否定表現にすることによって増えるモノがあるので、どうせ覚えるならこのフレーズのように否定で覚えておいた方が、後々迷わなくて済みますね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Non !」「Non !」「Je ne veux pas d’un éléphant dans un boa.」の場所と背景を確認しておきます。
正確には3つあるフレーズは、第2章の中ほどにあります。
1枚目の挿絵の直前にある会話部分の最初にあり、王子さまのセリフです。
「Non !」「Non !」
「non」は、「はい」「いいえ」の「いいえ」です。
ここでは「!」をつけて2度繰り返すことで、「違う!」「違う!」のように強い否定になっています。
「je ne veux pas d’un éléphant」
「je」は「わたし」、「veux」は「vouloir」の活用形です。
「vouloir」は人が主語で、「~を望む」「~を欲する」という意味になります。
ここでは「ne ~ pas」を伴なうことで、否定表現になっています。
「d’un」は前置詞「de」の省略形「d’」と不定冠詞単数男性形「un」が合わさった形です。
「éléphant」は男性名詞で「ゾウ」という意味です。
「dans un boa」
「dans」は「~の中の」、「un」は不定冠詞単数男性形です。
「boa」は男性名詞で「ボア(ヘビの種類の名前)」の意味です。
背景を見てみると
繰り返し羊の絵をねだる王子さまに、語り手の男性は自分が6歳の頃に描いたのと同じものを描いて見せます。
その絵は誰に見せても、帽子としか思われなかったのに、王子さまは正確に理解します。
今回のフレーズは、王子さまがこの絵のことを言い当てている部分です。
嬉しかったはず!
語り手の男性が王子さまに出会った時の年齢は明かされていません。
けれど、社会人になってからある程度の時間が経っているようなので、最低でも20代後半にはなっていたのではないでしょうか?
…ということは、男性のゾウを飲みこんだボアヘビの絵は、20年以上の歳月を経て、初めて理解されたことになります。
その時の男性の心境には触れていないのですが、かなり嬉しかったでしょうね!
「あるモノ」が消える!
ところで、王子さまの「Je ne veux pas d’un éléphant dans un boa.」というフレーズですが、これをシンプルに「ゾウはいらない」にすると、「Je ne veux pas d’un éléphant.」になります。
このフレーズを肯定文にすると、冒頭でも触れたとおり、「あるモノ」が消えます。
「Je veux un éléphant.」になるからです。
何が消えたのか、わかりましたか?
消えたのは、前置詞の「de」です。
今回のフレーズでは「de」の省略形「d’」と不定冠詞単数男性形「un」が合わさっているので、わかりにくいですよね!
「ゾウなんかいらない!」
再度整理すると、
肯定:Je veux un éléphant.
否定:Je ne veux pas d’un éléphant.
ということです。
慣れるまでは、前置詞がついた否定表現で覚えておき、「肯定ならいらない」と思っておいた方がスムーズです。
王子さまのセリフそのまま「ゾウなんかいらない!」で、かわいく覚えたいですね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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