173 一石三鳥以上のフレーズ! Ça n’a pas trop amélioré mon opinion.

動詞

3種類5つの単語の語順 

今回のフレーズの着目ポイントは「過去表現の否定形」です。 

過去表現・否定形とも、それぞれ2語ずつで構成されていますが、この計4語の語順には、やはりルールがあります。 

そしてさらに修飾語も入っているので、ルールを覚えるよりはフレーズを丸ごと覚える方がラクかもしれません。 

一石二鳥どころか、一石三鳥以上のフレーズです。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ça n’a pas trop amélioré mon opinion.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第1章の終わりの方にあります。 

3枚目の挿絵から3つ目の段落の最後のフレーズです。 

「ça n’a pas trop amélioré」 

「ça」は代名詞で、本来は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。 

「n’a」は、否定を表す語「ne」の省略形「n’」と、「avoir」の活用形「a」が合わさったものです。 

「pas」も否定を表す語で、「ne ~ pas」で「~ない」という意味になります。 

「trop」は「あまりに」「非常に」の意味です。 

「amélioré」は「(物事を)よりよくする」「改善する」などの意味の動詞「améliorer」の過去分詞です。 

「a(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。 

「mon opinion」 

「mon」は所有形容詞単数男性形で、「私の」という意味です。 

「opinion」は男性名詞で、「意見」「見解」「判断」「評価」などの意味です。 

「opinion」が男性名詞なので、男性形の「mon」が使われています。 

背景を見てみると 

語り手の男性は、ませた子どもだったのかもしれません。 

わずか6歳で画家になる夢をあきらめ、周囲の大人たちに批判的になったのですから。 

それでも大人たちのアドバイスには従って他の勉強をし、飛行機の操縦士になりました。 

今回のフレーズは、すでに大人になった男性が、同じ大人たちの中で生活し、彼らをよく観察した結果について述べている部分です。 

複雑な語順ルール 

さて冒頭でも触れたとおり、今回のフレーズには、過去表現の部分「a amélioré」と否定を表す部分「n'(ne) ~ pas」があり、さらに修飾語である「trop」がついています。 

ルールとしては、「n'(ne) ~ pas」の「~」の部分に「avoir」が入ること、修飾語である「trop」は「pas」と過去分詞(ここでは「amélioré」)の間に入ることの2つです。 

ただし、こうしたルールをまる覚えしても、実際には使いこなせないことの方が多いので、どうせ覚えるなら、今回のような短いフレーズをそのまま覚えて応用した方が安心です。 

フレーズを整理しよう! 

なお語順を気にするあまり、意味が分からなくなってしまっては困るので、整理しておきますね。 

主語は「ça(あれ/それ)」、述語が「amélioré(よりよくする/改善する)」目的語が「mon opinion(私の意見/評価)」で過去表現の否定形です。 

ここでの「ça」 

ところで、「ça」は「あれ/それ」を意味しますが、今回のフレーズだけでは、「ça」が具体的に何を指すのかは分かりません。 

これは文脈で判断することになります。 

このフレーズの前の部分で、語り手の男性は成長後に「誠実な大人たちとの付き合いがたくさんあったこと」「大人たちの中で暮らしてきたこと」「大人たちを近くから観察してきたこと」について語っており、このすべてを指しています。 

こうして大人たちをよく知ってからも、わずか6歳の時に感じた大人たちへの不信感、つまり「大人たちは物事の本質を見ていない」という評価は、あまり好転しなかったということですね! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

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