8 使っちゃダメ! Celui-là est trop vieux.

その他(王子さま)

使ってはいけないフレーズ 

大人びたことは言うものの、やはり王子さまは子どもなので、言い方が子どもっぽかったり、時には文法を間違えていたり、そして、言ってはいけないことを言ったりもします。 

今回のフレーズは、その言ってはいけない内容です。 

知っておくことで、自分では言わないように気をつけられるようになるのは大切なこと。 

また、どのような相手に言ってはいけないのかを知っておいてくださいね! 

このフレーズの場所と背景 

単語に入る前に、今回の「Celui-là est trop vieux.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第2章の終わりの方、3枚目の羊の絵と箱の絵の間にあります。 

王子さまが、3枚目の羊の絵に文句をつけている部分です。 

「celui-là」 

この単語は、前回(第7回)でかなり長く説明しているので、詳細はそちらを参照してください。 

和訳は「その人」「それ」または「あの人」「あれ」ですが、「celui-là」と「その人」などが同じ意味なのかと言うと、同じではありません。 

「celui-là」が指すのは、すでに話題に上がった人やものだけです。 

ここでは、3枚目の絵の羊ですね。 

「est」 

この単語もこちらですでにご紹介済みですが、このフレーズの動詞です。  

英語の be動詞に当たる、動詞 être の3人称単数の活用形です。 

3人称単数は「彼」「彼女」に代表されますが、「celui-là」の動詞にも3人称単数が使われます。 

このフレーズの主語「celui-là」の指しているのは「(3枚目の絵の)羊」です。 

羊が男性名詞なので「celui-là」と「est」が使われています。 

「trop」 

「trop」は「あまりに」「非常に」の意味です。 

「trop + 形容詞(または副詞)」の形でよく使われます。 

…というのは辞書などでの説明で、確かにこの通りなのですが、実際にはこの単語をかなりの頻度で使う人たちが存在します。 

それは、中高生などの若い人たちです。 

あくまでも個人的な印象ですが、私は日本語の「スゴイ」「スゴすぎる」と似た使い方がされていると感じています。 

学校帰りなどに「trop」を使った表現を連発しては、笑い転げている中学生グループを見ることも。 

かわいらしいのですが、彼らの言っていることを偶然耳にしてしまうと、こちらまで吹き出しそうになって、困ることもあります(笑)。 

なお、「trop」を1~2度使う分にはいいのですが、大人が連呼すると、やはり子供っぽい印象を与えてしまいます。 

このあたりも、日本語の「スゴイ」を連呼する人がいるのと同じようなイメージです。 

ただし、このエピソードの冒頭で触れた「使ってはいけないフレーズ」のキーワードは、「trop」ではありません。 

次の単語、「vieux」の方です。 

「vieux」 

「vieux」は男性・単数形の形容詞で、ものに対して使うと「古い」、人や動植物に対して使うと「年老いた」という意味です。 

王子さまは「vieux」という単語を使い、それも「trop vieux」とまで強調して言ってしまっていますが、対象は羊なので、これは問題ありません。 

でも人に対して使うとなると、話しは別で、相手を敵に回す可能性すらあります。 

なぜなら、一般的なフランス人の年齢感覚は日本人とは異なるからです。 

この単語を人に対して使うのは、避けた方が賢明です。 

なお、フランス人の年齢感覚については、こちらの記事で書いています。 

またはポッドキャストでお話ししているので、よろしければこちらのリンクからお聞きください。 

「自分は年だから…」と言って老け込む人が極端に少ないフランス人の様子が、お分かりいただけると思います! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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