79 イライラが伝わってくる! Et des villes et des fleuves et des déserts ?

その他(王子さま)

フレーズ切り取りによる気づき 

実は今回のフレーズには、少し違和感があります。 

もちろん、お話しを通して読んでいれば、状況がわかっているので感じないうえ、作者の意図する感情に引き込まれます。 

1つだけ切り取るからこそ、作者の手法が見える例ですね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Et des villes et des fleuves et des déserts ?」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第15章の中ほどにあります。 

地理学者を相手にした王子さまのセリフです。 

「et」 

「et」は「そして」という意味です。 

「des」 

前回(第78回)同様、この「des」は不定冠詞複数形です。 

「des」には同音異義語があるので、詳細はこちらを参照してくださいね! 

「villes」 

「villes」は、「都市」や「町」を意味する女性名詞「ville」の複数形です。 

「fleuves」 

「fleuves」は、「河」を意味する男性名詞「fleuve」の複数形です。 

「fleuve」は大きくて、最終的に海に注がれる「大河」を意味します。 

「小さい川」は、女性名詞の「rivière」です。 

「déserts」 

「déserts」は、「砂漠」を意味する男性名詞「désert」の複数形です。 

背景を見てみると 

初めて出会った、仕事らしい仕事をしている人で、住んでいる大きな星はとても美しいので、王子さまは地理学者に会えてうれしかった様子でした。 

ところがこの地理学者、地理が専門のハズなのに、自分の星の大きな海のことも、山のことも知らないというのです。 

期待値が高かった分、王子さまは以前にも増してがっかりしてしまいます。 

そして今回のフレーズになるのです。 

どこにイライラが? 

今回のタイトルを「イライラが伝わってくる!」としたのには、理由があります。 

通常、3つ以上の単語を「et」を使ってつなげたい場合、今回のフレーズのように何度も「et」を使わないからです。 

文法上、間違っているというほどではないのですが、違和感はあるフレーズです。 

通常のつなげ方 

3つの単語「A・B・C」を「et」を使ってつなげるなら、普通は「A, B et C」になります。 

「et」は最後に1回だけ入れるのです。 

4つ以上の単語でも、最後以外はすべて「,(カンマ)」でつなぎます。 

イライラが爆発寸前? 

自分の星のことなのに、海も山も知らない地理学者というのは、本当にこっけいです。 

そこで王子さまはパニックになったかのように、「町や河や砂漠も知らないのか」を立て続けに聞いています。 

強調として使われることもある「et」ですが、やはり何度も繰り返すのは普通ではなく、王子さまのイライラが伝わってきます。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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