69 コロナ禍・旅行・環境問題で大活躍の単語! Qu’est-ce que la consigne ?

名詞

言葉で非常事態を実感 

突然ですが、コロナ禍の約3年間、あなたはどこで誰と過ごしましたか? 

私は当初日本にいて、フランスのロックダウンのニュースを見て驚いたものの、2回目のロックダウンの最中にフランスに戻るという経験をしました。 

その際にフランスでよく聞いたのが、今回のフレーズにもある「consigne」です。 

意味を知ってはいたのですが、普段よく耳にするこの単語は、まったく別の意味で使われることがほとんどなので、やはり非常事態なのだということを実感したものです。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Qu’est-ce que la consigne ?」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第14章の中ほどに差しかかったところにあります。 

第14章で王子さまは、街灯をつける男に出会います。 

今回のフレーズは王子さまのセリフで、街灯をつける男への質問部分です。 

「qu’est-ce que」 

「qu’est-ce que」は1つの単語として扱います。 

意味は「何」です。 

「Qu’est-ce que c’est ?(これ/それ/あれは何ですか?)」が非常によく使われます。 

「la consigne」 

「la」は、定冠詞女性・単数です。 

「consigne」は女性名詞で、ここでの意味は「命令」ですが、かなりいろいろな意味を持つ単語です。 

これに関しては、後で深掘りします。 

背景を見てみると 

1分ごとに街灯をつけたり消したりする男を見て、王子さまは「なぜ街灯を消したのか」をたずねます。 

男の答えは「C’est la consigne」のひと言だけでした。 

何にでも食いついたら、納得できる答えが得られるまであきらめない王子さまは、「la consigne」を知るために、さらに質問を続けます。 

その始めが、今回のフレーズです。 

いろいろな「consigne」 

「consigne」という単語は、大きく分けて3つの意味を持っています。 

今回のフレーズの「consigne」は、次の3つのうちの1つ目ですが、その他も様々な理由でよく使われます。 

1. 命令の「consigne」 

この意味で使われる「consigne」では、「命令」の他に「指示」と訳されているのも見かけます。 

でも「指示」では、和訳としては弱いような気がします。 

例えば、コロナ禍のフランスでは、「外出禁止令」という意味でも使われました。 

その結果がロックダウンで、許可なく家の外に出るだけで罰せられたので、「命令」そのものでした。 

当時の日本は、外出しないでくださいという「お願い」だったのと比べると、文字通り段違いの差でした。 

両方とも身をもって経験したので、もうあの頃には戻りたくないです。 

2. 旅行先での「consigne」 

さて、ここからは平和な日常での使い方です。 

日本ほどではありませんが、フランスでも大きな駅などに行くと、コインロッカーがありますが、このコインロッカーこそが、「consigne」です。 

ターミナル駅などの主要駅なら、大きなスーツケースなども預かってくれる「手荷物預かり」があり、人が受け渡しをしてくれますが、これも「consigne」です。 

3. 環境問題で注目される「consigne」 

そして最近注目されているのが、「デポジット(保証金)」の「consigne」です。 

デポジットとは、例えばビン入りの飲み物を買った後に空ビンを返却すると、飲み物の代金の一部を返却してくれるものです。 

そしてフランス語では、この制度そのもの、そして返却金の両方の意味で「la consigne」という言葉が使われます。 

この制度、1970年代ぐらいまではごく普通にフランスで機能していたそうで、最近の環境問題への意識の高まりで、かなり注目されている単語です。 

今回のフレーズ「Qu’est-ce que la consigne ?」は、昔のデポジット制度を知らない若い世代向けへ説明する際に、タイトルになる可能性大です。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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