65 王子さまの価値観がわかる! Cependant il est moins absurde que le roi, que le vaniteux, que le businessman et que le buveur.

その他(王子さま)

全員集結! 

今回のフレーズがある第14章は、第27章まである『星の王子さま』の、ちょうど真ん中あたりになります。 

このフレーズには、それまでに王子さまが旅先で出会った人々が全員登場しています。 

王子さまの価値観がわかるフレーズなのです。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Cependant il est moins absurde que le roi, que le vaniteux, que le businessman et que le buveur.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第14章の始めにあります。 

第14章で王子さまは、街灯をつける男に出会います。 

今回のフレーズは、街灯をつけている挿絵から2つ目にあって、王子さまが心の中で思ったことです。 

「cependant」 

「cependant」の意味は、「しかしながら」「それにもかかわらず」です。 

「il」 

「il」は3人称代名詞単数で、「彼」を表すのですが、モノやコトを受けて「それ」の意味になることもあります。 

また「il」は、特に意味を持たない場合があります。 

「est」 

être動詞の3人称単数の活用形です。 

「moins ~ que ~」 

「moins ~ que ~」は、「~より少なく~」で、比較の対象は「que」の後に来ます。 

「moins + 形容詞 que ~」の形でよく使われます。 

対義語は「plus」で、こちらも「plus + 形容詞 que ~」の形でよく使われます。 

「absurde」 

「absurde」は形容詞で、意味は「(言動や人などが)ばかげている」です。 

「moins absurde que ~」で、「~より少なくばかげている」、つまり「~よりはマシ」という風にも取れるでしょうか? 

「le」 

「le」は、文法上、定冠詞の男性・単数です。 

語り手の男性にとっては「ある特定できる存在」なので、定冠詞が使われています。 

「roi」 

「roi」は、「王」「国王」で、男性名詞です。 

女性形は「reine」です。 

複数形はそれぞれ「rois」「reines」で、発音は変わりません。 

「vaniteux」 

「vaniteux」は「虚栄心の強い人」「見栄っ張りな人」という意味の男性名詞です。 

単数・複数が同じ形です。 

女性だと語尾が変化して、単数は「vaniteuse」、複数は「vaniteuses」になり、発音も変わります。 

「businessman」 

「businessman」は、男性名詞で「ビジネスマン」。 

英語由来の外来語として使われています。 

そのため、複数形は「businessmen」になり、他の名詞のように語尾に「s」がつく形ではありません。 

「et」 

「et」は「~ et ~」の形で、「そして」を意味します。 

今回のように接続するものが多い時は、「~, ~, ~, ~ et ~」のように、始めの部分は「,」にして、最後の部分だけに「et」を使います。 

「buveur」 

「buveur」は「飲む人」「酒飲み」という意味の男性名詞です。 

女性だと「buveuse」で、発音が変わります。 

複数形は、男性形が「buveurs」、女性形が「buveuses」で、単数からは発音の変化がありません。 

背景を見てみると 

第14章で王子さまは、一番小さな星にいて、ひとりで街灯をつけたり消したりを繰り返す男に出会います。 

1日の時間が極端に短いこの星には、他に人がいるわけではなく、将来的に誰かが来ることもないのに、点灯と消灯だけを繰り返す男。 

今回のフレーズの直前で、この男のことを「absurde(ばかげている)」と言っていて、今回のフレーズになります。 

「il」とは? 

「il」という単語は人称代名詞ですが、しばしば意味を持たなかったり、モノやコトを受けたりします。 

でも今回のフレーズでは、直前ですでに「absurde(ばかげている)」と言っているので、「il」は、街灯をつけたり消したりしている男のことですね。 

そして、その比較対象は、王様や見栄っ張りの男、ビジネスマン、酒飲みは、この一番小さな星に来る前に王子さまが出会った人々です。 

「cependant」と言う理由 

王様などに比べれば、街灯にかかりきりの男でさえ、「まだマシ」と言いたいのでしょうか。 

そのため、文頭に「cependant(しかしながら)」が来ているのです。 

ここでも、王子さまの価値観がしっかり出ていますね! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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