38 好きになるということ Ma fleur est là quelque part…

その他(王子さま)

王子さまの特別な花 

今回のフレーズには、このシリーズの第32回で触れた、王子さまの特別な花が登場します。 

この花は作者の妻がモデルとも言われていて、今回のフレーズに、作者の想いが凝縮していると感じます。 

ぜひフランス語で味わってみてください。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「Ma fleur est là quelque part…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第7章の終わりの方にあります。 

第7章では、王子さまと語り手の男性の会話が続き、最後はバラの花の絵で終わっています。 

このフレーズは第7章の終わりから2段落目にあるフレーズで、王子さまののセリフです。 

「ma」 

「ma」は所有形容詞、1人称で単数の女性形です。 

「私の」「僕の」「オレの」という意味です。 

話し手の性別ではなく、後に来る名詞の性別によります。 

「fleur」 

「fleur」は「花」を意味する女性名詞です。 

ここでは、「fleur」が単数の女性名詞なので、「ma」になっています。 

「est」 

英語の be動詞に相当する、être動詞の3人称単数の活用形。 

意味は「~です」に当たります。 

ただし今回は、次の「là」が場所を表しているので、「~にいる」「~にある」という、存在を表しています。 

「là」 

「là」は「そこ」「あそこ」、基本的には離れた場所を表します。 

「ここ」を意味する「ici」よりも離れた場所ということです。 

「là」には「a」に右肩下がりのアクセントがついていて、定冠詞の「la」とは異なりますので、注意が必要です。 

「quelque part」 

「quelque part」は、「どこかで」の意味です。 

通常、「quelque」は「いくらかの」、「part」は「部分」や「~の場」などを表すのですが、「quelque part」は決まり文句「どこかで」を表します。 

王子さまの大切なバラの花 

このシリーズの第32回で、『星の王子さま』のバラの花は、作者の妻がモデルと言われていることについて触れました。 

第32回での「花」は「fleurs」と複数形で、その理由は「ただの一般的な花」だったからでした。 

そして王子さまの特別な花の場合は、単数形で語られるともお伝えしました。 

今回の「Ma fleur est là quelque part…」こそが、そのフレーズです。 

完結しているフレーズ 

「Ma fleur est là quelque part…」は「…」で終わっていますが、フレーズとしては完結しています。 

直訳すれば「私の花はどこかにあります。」なので、本来は「…」で終わる必要がないはずです。 

…などと言ってしまうと、本当に元も子もなくなり、雰囲気を壊してしまっていますね、すみません。 

『星の王子さま』が愛される理由 

今回のフレーズの直前には「何百万もの星があって、それを眺めているだけで幸せになれる」と言っています。 

その理由が今回のフレーズです。 

好きな相手だからこそ、遠く離れてはいても、どこにいるのかを知らなくても、「どこかにいる」と信じられるだけで心が温かくなる。 

作者自身にも妻と離れ離れになってしまった経験があり、こうした気持ちを大事にしているのが伝わってきますね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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