簡単に言おう!
今回のフレーズには、もっともシンプルに条件を表す表現が使われています。
フランス語の動詞には「条件法」がありますが、これを覚えなくても条件は表せます。
日常会話でもよく使う例文をいくつかご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「S’ils sont bien ramonés, les volcans brûlent doucement et régulièrement, sans éruptions.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは第9章最初の段落にある、語り手の男性の説明部分です。
「s’ils sont bien ramonés」
「s’ils」は「もしも」を表す「si」の省略形「s’」と人称代名詞3人称複数の「ils」が合わさったものです。
「sont」は「être」の活用形(現在形)、「bien」は「よく」「正しく」「非常に」「本当に」、「ramonés」は「(煙突などを)掃除する」という意味の動詞「ramoner」の過去分詞「ramoné」の複数形です。
「les volcans brûlent doucement et régulièrement」
「les」は定冠詞複数形、「volcans」は「火山」という意味の男性名詞「volcan」の複数形です。
「brûlent」は「焼ける」「燃える」などの意味の動詞「brûler」の活用形(現在形)です。
「doucement」は「静かに」「そっと」「やさしく」などの意味、「et」は「そして」、「régulièrement」は「定期的に」「正規に」という意味です。
「sans éruptions」
「sans」は「~なしに」、「éruptions」は「(火山の)噴火」という意味の女性名詞「éruption」の複数形です。
背景を見てみると
王子さまの星には、火山が3つありました。
そのうち2つは活火山で、王子さまは朝食を温める時などに便利に使っていました。
残りの1つは死火山なので、本来噴火などの危険性はないのですが、王子さまは慎重に、死火山の手入れをしていました。
今回のフレーズでは、火山の手入れと噴火の関係性について語られています。
フレーズの意味
さて、今回のフレーズ「S’ils sont bien ramonés, les volcans brûlent doucement et régulièrement, sans éruptions.」は、冒頭で触れた通り条件を表す表現が使われています。
「S’ils sont bien ramonés」で「よく掃除していれば」、
「les volcans brûlent doucement et régulièrement」で「火山は静かに定期的に燃える」、
「sans éruptions.」で「噴火せずに」ということです。
条件を表すには?
このような簡単に条件を表すには、今回のフレーズのように「Si ~, ~.」という形を使います。
今回のフレーズを見ても、動詞の活用は現在形しか使われていません。
これまでこのシリーズで扱ってきた、現在形や簡単な過去表現・簡単な未来表現だけでも、かなり多くのことが言えるのです。
よく使われる条件表現
日常生活でよく使われる、簡単な条件表現をご紹介します。
- Si tu es fatigué, repose-toi.
(疲れているなら、休んで) - Si j’ai le temps, je vais au cinéma.
(時間があれば、映画に行く) - Si tu veux, on peut sortir ce soir.
(もしよければ、今夜出かけられるよ)
フランス語の条件法
逆に、フランス語に存在する条件法は、どういう場合に使うのかと言うと、主に:
- 「もし~なら、~なのになあ」という仮定表現
- 「~していただけませんか?」などのていねい表現
- 「~してくれればよかったのに」などの遠回しの非難
などです。
例えば、「もし宝くじが当たったら、大きな家を買うのになあ」と言いたい場合の「買うのになあ」の部分が条件法になります。
ただし表現を工夫することで、これに近いことを言えるようになるので、焦って条件法まで覚える必要はありません。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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