34 「c’est ~」の使い方のまとめ! Mais ce n’est pas un homme, c’est un champignon !

その他(王子さま)

日本人には違和感? 

今回のフレーズには、このシリーズで何度かお話ししている「c’est ~」という言い方と、その否定形である「ce n’est pas ~」という言い方の両方が入っています。 

両方の「~」には、人・モノの両方が入るのですが、このフレーズの片方には人、もう片方にはモノが入っているので、まとめて覚えるのにピッタリです。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回の「Mais ce n’est pas un homme, c’est un champignon !」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第7章の後半にあります。 

第7章では、王子さまと語り手の男性の会話が続き、最後はバラの花の絵で終わっています。 

今回のフレーズは、後半にあるセリフ「– Un quoi ?」の直前にある、王子さまのセリフです。 

なお、このフレーズは前回(第33回)扱った « Je suis un homme sérieux ! Je suis un homme sérieux ! » の後にあります。 

「mais」 

「mais」の基本的な意味は「しかし」「けれど」で、逆説を表します。 

「c’est」と「ce n’est pas」 

この2つの関係は、「ce n’est pas」は「c’est」で始まるフレーズの否定文ということです。 

「c’est」 

「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、英語の be動詞に当たる動詞 être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

意味は「これ(それ・あれ)は~です。」 

「ce n’est pas」 

「ce n’est pas」 は、「ce」と否定の「ne ~ pas」、そして「~」の部分に「est」を入れた形です。 

「ne」と「est」は結合して「n’est」になっています。 

意味は「これ(それ・あれ)は~ではありません」です。 

「un」 

「un」は、不定冠詞男性単数形で、特定できないものを指すときに使われます。 

「homme」 

「homme」は「人/人間」「男/男性」を意味する男性名詞です。 

「人/人間」は動物ではない、「男/男性」は女性ではないという意味で使います。 

「champignon」 

「champignon」は、男性名詞で「キノコ」を意味します。 

このフレーズでは単数形で登場していますが、多くの場合は複数形の「champignons」で使われます。 

単数・複数形の発音は同じです。 

フランスでは成長が早いものの代名詞でもあるのがキノコ。 

子供の成長が驚くほど早い様子を、日本語では「タケノコのように育つ」と言いますが、フランス語では「キノコのように育つ」と言います。 

なお、「マッシュルーム」はフランス語で「campignon de Paris」です。 

キノコはなぜ単数形? 

王子さまは「c’est un champignon !」と言っていて、ここでのキノコは1つだけ。 

通常、キノコは複数形で登場するので、少々戸惑ってしまいそうな言い方です。 

でもそれは、このフレーズの前半で「Ce n’est pas un homme」と言われてしまっている人物のことを指しているせいです。 

王子さまに「人なんかじゃない、あれはキノコだ!」とまで言われている人とは、どんな人物なのでしょうか? 

人として大切なこと 

その答えは、このフレーズの少し前にあります。 

王子さまは他の星で出会った、数字にしか興味のない男性を思い出して、「花の香りをかぐことも、星を見たり、人を好きになることもなく、計算ばかりしている」と評しています。 

その人のことを「人なんかじゃない、あれはキノコだ!」と言っているので、キノコは1つだけなのです。 

逆に言うと、王子さま、つまり作者にとっては、人として大切なのは「花の香りをかいだり、星を見たり、人を好きになったりすること」ということになります。 

お金も大切ですが、王子さまに「キノコ判定」を受けないように暮らしていきたいと思います。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね! 

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