338 わかりやすい再帰代名詞! Ah ! Je me réveille à peine…

動詞

二重にお得な表現!

今回のフレーズには再帰代名詞が含まれているのですが、かなりわかりやすい例です。 

また日本人に理解しやすい意味であり、よく使う表現でもあるので、このまま覚えるのに最適です。 

なお、人称代名詞の目的格との違いも整理できて、本当にお得です! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Ah !」と「Je me réveille à peine…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第8章の最初の会話部分にある、バラの花のセリフです。 

「ah !」「je me réveille à peine」

「ah !」は感嘆詞の「ああ!」、「je」は「わたし」です。 

ここでの「me」は再帰代名詞、「réveille」は「目覚めさせる」という意味の「réveiller」の活用形(現在形)です。 

ただし再帰代名詞を伴なう代名動詞としての使い方ですので、再帰代名詞の部分を「自分を」または「自分に」と捉えます。 

すると「自分を目覚めさせる」、つまり「目が覚める」という意味になります。 

「à peine」は副詞句で、「ほとんど~ない」という否定、または「~したばかり」という意味になります。 

背景を見てみると

遠く離れた地球の、それも人里離れた砂漠で、王子さまは自分の星に残してきた1輪の花を思っています。 

王子さまの星にはシンプルな花はたくさんありましたが、ある時見たこともない植物が生えてきて観察していると、他の花とは違った様子でした。 

今回のフレーズは、日の出とともに花開いたバラの第一声です。 

フレーズの意味

このバラの花の第一声「Ah ! Je me réveille à peine…」は、「ああ!わたし目が覚めた(起きた)ばかり…」ということです。 

再帰代名詞や代名動詞というと、苦手意識を持つ方も多いのですが、ここでは前述通り「réveiller(目覚めさせる)」に再帰代名詞がついたものです。 

なので「自分を目覚めさせる」、つまり「目が覚める」「起きる」という意味になります。 

1文字だけで激変?

そしてこの「Je me réveille.」というフレーズをベースにして考えると、再帰代名詞や代名動詞と、人称代名詞の目的格との関係がスッキリします。 

何度も言っている通り、「Je me réveille.」の「me」は再帰代名詞なので「自分を」と捉えられます。 

ただしこれを「te(君を)」に変えると、「réveiller(目覚めさせる)」は本来の意味になります。 

「te(君を)」という人称代名詞の目的格を伴なった、普通の他動詞になるのです。 

つまり「me」が「te」になるだけで、まったく意味が変わります。 

  • Je me réveille.(目覚める) 
  • Je te réveille.(君を起こす) 

まとめ

この「Je 〇〇 réveille.」という形は、〇〇に「me」が入った時のみ「目覚める」という意味になり、それ以外は「(人を)起こす」になります。 

再帰代名詞を伴なって「目覚める」という意味になる場合を左側に、「わたしが○○を起こす」を右側にして、まとめます。 

目覚める  起こす 
Je me réveille. ————– 
Tu te réveilles. Je te réveille. 
Il se réveille. Je le réveille. 
Elle se réveille. Je la réveille. 
Nous nous réveillons. ————– 
Vous vous réveillez. Je vous réveille. 
Ils se réveillent. Je les réveille. 
Elles se réveillent. Je les réveille. 
「目覚める」「わたしが○○を起こす」まとめ

注意点

注意点がいくつかあります。 

人称代名詞目的格の太字の部分は、再帰代名詞とは異なります。 

とくに3人称単数形では「le(彼を)」「la(彼女を)」になっており、男性形と女性形が違います。 

なお、今回ご紹介した人称代名詞目的格は、「~を」の意味になる直接目的のみです。 

「~に」の意味になる間接目的は、このシリーズの次回、第339回でご紹介します。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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