329 悩ましい!前置詞の使い分け! Et ce n’est pas sérieux de chercher à comprendre

その他(王子さま)

悩ましい前置詞

今回のフレーズにはフランス語の前置詞の代表格とも言える「de」と「à」の両方が含まれています。 

この2つの前置詞の使い分けについてご紹介しますが、機械的なルールがあるわけではないのが悩ましいところです。 

それでも、中には日本人にとって覚えやすい例外もありますよ! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Et ce n’est pas sérieux de chercher à comprendre」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは第7章の後半にある王子さまのセリフの一部です。 

「et ce n’est pas sérieux de chercher à comprendre」

「et」は「そして」、「ce n’est pas」は「c’est」の否定で 「これ(それ・あれ)は~ではありません」という意味です。 

「sérieux」は形容詞で、人に対して使うなら「まじめな」「勤勉な」「熱心な」「誠実な」「真剣な」、事柄について使うなら「重大な」「深刻な」「顕著な」という意味です。 

「de」は前置詞、「chercher」は「探す」「探し求める」などの意味の動詞の原形ですが、「chercher à +(動詞の原形)」という形で「~しようと努力する」「~しようとする」という意味になります。 

「comprendre」は「理解する」「わかる」などの意味の動詞の原形です。 

背景を見てみると

生死にかかわる飛行機の修理にかかりきりの語り手の男性は、羊と花の関係という、大事とは思えない王子さまの質問に対して適当に答え、2人は険悪な状況になってしまいます。 

王子さまは、ある星で出会った他の男性について語ることで、男性が忘れかけていたことを思い出させようとしています。 

フレーズの全体は「Et ce n’est pas sérieux de chercher à comprendre pourquoi elles se donnent tant de mal pour se fabriquer des épines qui ne servent jamais à rien ?」です。 

今回扱うのは、この長い疑問文の始めの部分です。 

「(形容詞)+ de +(動詞の原形)」

まず前置詞の「de」について考えていきます。 

「de」が使われる1例として「(形容詞)+ de +(動詞の原形)」という形があります。 

今回のフレーズの「sérieux de chercher」という部分もそれに当たります。 

その他の例としては 

  • important de ~ (~することが重要だ) 
  • contente de ~ (~して嬉しい) 
  • difficile de ~ (~するのは難しい) 

などがあります。 

形容詞の例外

ただし、すべての形容詞に「de」がつくわけではありません。 

「à」を伴なう代表的な形容詞として知られているのが「prêt」です。 

「prêt à ~」で「〜する準備ができている」「〜する気がある」という意味です。 

例えば、 

  • Je suis prêt à partir.(出発する準備ができている) 

なのですが、この「prêt à ~」は日本人にとって覚えやすい例外です。 

というのも、外来語の「プレタポルテ」を思い出せばいいからです。 

元になっているのは「prêt à porter」で、「すぐに着られる」という意味が転じて「既製服」を表す言葉になっています。 

「(動詞)+ de +(動詞の原形)」

「(動詞)+ de +(動詞の原形)」の形になる動詞には 

  • décider de ~(~を決める) 
  • essayer de ~(~を試みる) 

などがあり、例文としては 

  • Il a décidé de partir.(彼は出発することにした) 
  • J’ai essayé de ne pas rire.(笑いをこらえようとした) 

「(動詞)+ à +(動詞の原形)」

「(動詞)+ à +(動詞の原形)」の形になる動詞には 

  • chercher à ~ (~しようとする)  
  • réussir à ~ (~に成功する)  

 などがあり、今回のフレーズの 

  • chercher à comprendre(理解しようとする) 

も、このタイプです。 

奥が深い前置詞

前置詞については、わかりやすい決まりのようなものがないので厄介なのですが、動詞を覚える時にセットで、またはフレーズごと覚えるのが効率的だと思います。 

この動詞や形容詞などと前置詞の関係は日本語の助詞に似ていると、個人的には考えています。 

日本語のネイティブが意識せずにいろいろな助詞を使いこなしているように、フランス語のネイティブも無意識に前置詞を操っているからです。 

今回は具体例にまでは触れませんが、動詞によっては「de」と「à」の両方がつき、同じ動詞なのに前置詞によって意味が変わるタイプなどもあります。 

一度に覚えようとすると本当に面倒なので、やはり少しずつ慣れていくしかありません。 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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