298 日本語より確実! Quand il est midi aux États-Unis, le soleil, tout le monde le sait, se couche sur la France.

名詞

努力せずに覚えよう!

今回のフレーズには、日本語だと誤解を招く場合もある単語が含まれています。 

対義語(反対語)とセットにすると、さらに覚えやすくなり、間違えにくくもなるというメリットがあります。 

この記事を読む、またはポッドキャストの配信を聞くだけで、努力しなくても語いが増えますよ! 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Quand il est midi aux États-Unis, le soleil, tout le monde le sait, se couche sur la France.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第6章の中頃にあります。 

第6章の最初の会話部分の後にある段落の中のフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「quand il est midi aux États-Unis」

「quand」は疑問詞として使われる時は「いつ」という意味ですが、ここでは「?」がないので、接続詞としての使い方です。 

その場合は「~する時に」「~するたびに」という意味になります。 

ここでの「il」は意味を持たない形式上の主語、「est」は「être」の活用形(現在形)です。 

「midi」は男性名詞で「正午」「南」という意味、「aux」は前置詞の「à」と定冠詞複数形の「les」が合わさったもの、「États-Unis」は国名の「アメリカ合衆国」のことで、男性名詞の複数形です。 

「le soleil, tout le monde le sait」

「le」は定冠詞単数男性形、「soleil」は「太陽」「日光」「日差し」を意味する男性名詞、「tout le monde」は「みんな」「全員」という意味です。 

次の「le」は定冠詞ではなく、3人称代名詞直接目的の男性形です。 

「sait」は「知る」「知っている」という意味の動詞「savoir」の活用形(現在形)です。 

「se couche sur la France」

「couche」は「寝かせる」「横たえる」などの意味の「coucher」の活用形(現在形)ですが、再帰代名詞の「se」を伴なうことで「寝る」「横たわる」「(太陽や月が)沈む」という意味になります。 

「sur」は「~の上に」「~に関して」など、「la」は定冠詞単数女性形、「France」は国名の「フランス」で女性名詞です。 

背景を見てみると

男性は、星での王子さまの唯一の気晴らしは日没を眺めることだったことに気づきました。 

「日没を見に行こう」という王子さまに、男性は「(日没まではまだ時間があるから)待たなきゃ」と答えます。 

自分の星にいると、王子さまはいつでも日没を見られるのですが、地球上では異なります。 

今回のフレーズは、男性が読者の私たちにその理由を説明している部分の一部です。 

誤解を招きやすい単語

さて、冒頭で触れた「日本語だと誤解を招く場合がある単語」とは「midi(正午/南)」のことです。 

今回のフレーズでは、前半部分の「quand il est midi aux États-Unis」の中で「正午」という意味で使われています。 

この部分は「アメリカで正午の時は」つまり「アメリカで正午なら」という意味になります。 

え、それって!

ただしこの「正午」という言葉、あなたは日常会話の中でよく使いますか? 

「お昼の12時」「午後0時」などのように言っていないでしょうか? 

一般的に日本人の方がフランス人よりも時間に厳格であることが多いので、「~時」と言う方がスッキリするのかもしれません。 

でも時折、同じ時間のことを「午後12時」と言っている人がいて、「それは真夜中のことじゃ…」と思うことがあります。 

フランス語にはない言い方

逆にフランス語の場合、「Il est midi.」と言うことが普通で、「Il est zero heure.」や「Il est 12 heures.」のようには言いません。 

「Il est 10 heures du matin.(朝10時です)」や「Il est 7 heures du soir.(夜7時です)」などとは言いますが、「Il est zero heure.」「Il est 12 heures.」はないのです。 

対義語(反対語)は?

そして「midi(正午)」の対義語は「minuit(真夜中/午前0時)」であり、こちらもほぼ必ず「Il est minuit.」という言い方になります。 

「midi(正午)」と「minuit(真夜中/午前0時)」の共通部分である「mi」には「半ば」や「中間」という意味があります。 

「midi(正午)」の「di」とは、「jour(日)」の語源になったラテン語を短くしたもの、「minuit(真夜中/午前0時)」の「nuit」は「夜」のことです。 

つまり「midi(正午)」には「日中の中間」、「minuit(真夜中/午前0時)」には「夜の中間」といった意味があるので、取り違える可能性はまずないのです。 

後半部分と全体の意味

なお、今回のフレーズの後半部分である「le soleil, tout le monde le sait, se couche sur la France」には、主語の「le soleil(太陽は)」の後に「tout le monde le sait(みんなが知っているように)」という挿入部分があり、「se couche sur la France(フランスに沈む)」という言い方になっています。 

「アメリカが正午の時間には、フランスで日没を迎える」という意味ですね。 

やはり「midi(正午)」や「minuit(真夜中)」という言い方の方が、「0時」「12時」を使うより混乱せずに済みますね! 

この記事を音声で聞くなら

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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