最小限の1つ
「覚えることは最小限に!」を心がけてはいるのですが、その最小限の1つが「avoir」の現在形と過去分詞です。
発音のポイントもまとめたので、しっかり身につけてくださいね!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Tout le monde n’a pas eu un ami.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の終わりにあります。
第4章最後の段落の6つ目にあるフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「tout le monde n’a pas eu un ami」
「tout le monde」は「みんな」「全員」という意味です。
「n’a」は、否定語「ne」の省略形「n’」と、「avoir」の活用形(現在形)「a」が合わさったものです。
「ne ~ pas」で動詞を否定しています。
「eu」は「avoir」の過去分詞、「un」は不定冠詞単数男性形、「ami」は「友人」という意味の男性名詞です。
背景を見てみると
あまりにも悲しいこのお話しは、6年も前に起きたことでした。
本当はおとぎ話のように始めたかった、そして軽々しく読んで欲しくないと、男性は言っています。
語ること自体が悲しいお話しをあえてするのは、王子さまという友だちを忘れないため。
友だちを忘れてしまうのは悲しいことですが、今回のフレーズで言いたいのは、もしかすると「友だちがいただけでも十分に幸せ」ということなのかもしれません。
2つの「avoir」
このフレーズには「n’a」の「a」と、「eu」があり、2つとも「avoir」です。
「avoir +(動詞の過去分詞)」の形なので、過去表現です。
「avoir」は、こうした過去表現などの一部として使われることの方が多いのですが、今回のフレーズの「eu」の方は、「~を持つ」という意味で使われています。
和訳するなら、友だちは「持つ」というよりは「いる」という言い方になるかもしれませんが、それは日本語独特の表現です。
フランス語では「avoir un ami」になります。
「avoir」活用表
「avoir」の活用形(現在形)をまとめます。
過去分詞「eu」も、一緒に覚えましょう!
単数 | 1人称 | j‘ | ai |
2人称 | tu | as | |
3人称 | il/elle | a | |
複数 | 1人称 | nous | avons |
2人称 | vous | avez | |
3人称 | ils/elles | ont |
注意するポイント
「avoir」は特殊な動詞の代表格なので、このまま覚えるしかありませんが、ポイントがあります。
まず、母音から始まる単語なので、「je」は省略形の「j’」になります。
そして「tu」以外はすべて、代名詞の語末の音とくっつけて発音されます。
謎ルール発動!
その際、特に注意すべきなのは、複数形の代名詞「nous」「vous」「ils」「elles」の語尾にある「s」の発音です。
代名詞が単独なら「s」を発音しませんが、「avoir」の現在形はすべて母音から始まり、くっつけることで「s」の部分も発音することになります。
おまけに、フランス語には「母音で挟まれた『s』は『z』と発音する」という謎ルールがあるので、音がにごるのです。
「nous avons」「vous avez」「ils ont」「elles ont」のことです。
もっとも使う動詞の1つであることは間違いないので、実際に発音してセットで覚えてくださいね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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