222 勝つより稼ぐ? Combien gagne son père ?

動詞

全く異なる2つの意味

今回のフレーズの動詞は、試合などに「勝つ」という意味でよく使われる「gagner」ですが、生活するうえでよく使われるのは「稼ぐ」という意味の方です。 

なぜ全く違う2つの意味で使われる言葉なのか、そしてその他の意味も併せてご紹介します。 

このフレーズの場所と背景

では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Combien gagne son père ?」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第4章の中ほどにあります。 

第4章の3枚目の挿絵から11番目のフレーズで、語り手の男性による説明部分です。 

「combien gagne son père」

「combien」は数や量を聞く疑問詞で「どれだけ」「いくらの」という意味です。 

「gagne」は「gagner」の活用形(現在形)で、疑問文のため倒置されて前に出ています。 

「son」は「彼の」「それの」、「père」は男性名詞で「父」「父親」です。 

「gagner」は人が主語で「稼ぐ」「獲得する」「(試合などに)勝つ」、物事が主語で「(人を)襲う」などの意味です。 

背景を見てみると

語り手の男性は、王子さまの星だと考えるB612という小惑星発見にまつわるこっけいな話しの後、そもそもこうした状況になるのは、大人たちが物事の本質を見ようとしないからだと言います。 

そして大人たちが話題にしない、物事の本質に迫る具体例として、新しい友だちができた時にするべき質問が3つ示されます。 

その後で、本来はするべきではないものの、大人たちがよくしてしまう質問が4つ示されます。 

今回のフレーズは、その最後の質問です。 

ここでの「gagner」

さて先ほどもご紹介した通り、「gagner」という動詞には、人が主語で「稼ぐ」「獲得する」「(試合などに)勝つ」、物事が主語で「(人を)襲う」などのさまざまな意味があります。 

今回のフレーズの主語「son père(彼の父親)」は人なので、「稼ぐ」「獲得する」「(試合などに)勝つ」という意味になります。 

さらに「Combien(どれだけ/いくらの) ~ ?」と聞いているので、「稼ぐ」という意味なのは明らかです。 

「勝つ」と「稼ぐ」

私は当初「勝つ」という意味で「gagner」を覚えたのですが、実際にフランス人ネイティブの話しを聞いていると、かなりの割合で「稼ぐ」という意味で使っていたので、少々驚いたのを記憶しています。 

そこで調べてみると、「gagner」の本来の意味は「獲得する」だということがわかりました。 

「お金を獲得する」から「稼ぐ」になり、「勝利を獲得する」から「勝つ」になったということです。 

なお、アスリートでもない限り、「勝つ」という意味よりも「稼ぐ」という意味で使う人が多いのは、当然ですよね! 

その他の意味

ところで「gagner」の意味として、物事が主語で「(人を)襲う」というものがあります。 

実際の使い方は、「睡魔に襲われた」のような場合です。 

「gagner」の意味を「稼ぐ」「獲得する」「勝つ」だけで覚えてしまうと、混乱してしまいそうなぐらい異なる意味にも思えますが、意外とそうではありません。 

というのも、直訳すると「睡眠が私に勝った」になってしまいそうな言い方をするからです。 

日本語でも「眠気に勝てなかった」と言うので、かなり似ていますよね! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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