慣れればラク?
今回は年齢を聞くフレーズなので、その答え方もご紹介します。
英語とはかなり異なる言い方なので、始めのうちは戸惑うかもしれませんが、短くてシンプルなので、慣れればフランス語の方がラクかもしれません。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ「Quel âge a-t-il ?」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の中ほどにあります。
第4章の3枚目の挿絵から9つ目のフレーズで、語り手の男性による説明部分です。
「quel âge a-t-il」
「quel」は疑問形容詞の男性形単数で、基本的な意味は「どんな」「何の」「どの」です。
形容詞なので性や数で変化しますが、次の「âge」が単数の男性名詞なので、基本形を使います。
「âge」は「年齢」で、「quel âge」は「何歳」という意味になります。
「a-t-il」は「avoir」の活用形(現在形)「a」が疑問文のため倒置されて前に出て、「il(彼/それ)」と語順が変わっています。
発音しやすくするために意味はない「t」をその間に入れて、3つをハイフンでつなげています。
背景を見てみると
語り手の男性は、王子さまの星だと考えるB612という小惑星発見にまつわるこっけいな話しの後、そもそもこうした状況になるのは、大人たちが物事の本質を見ようとしないからだと言います。
そして大人たちが話題にしない、物事の本質に迫る具体例として、新しい友だちができた時にするべき質問が3つ示されます。
その後で、本来はするべきではないものの、大人たちがよくしてしまう質問が4つ示されます。
今回のフレーズは、その4つの質問の1つ目です。
年齢は持ち物?
さて今回のフレーズは年齢を聞いています。
フランス語で年齢を表すには、「avoir +(数字)+ an(s)」を使います。
「an(s)」の「s」がカッコに入っているのは、複数の場合は「s」がつくからです。
つまり、2歳以上なら「~ ans」になるということです。
なお、英語とはかなり言い方が異なるので、私は入門期の頃に「年齢は持ち物」だと頭に入れていました。
「a-t-il」について
そして前述の通り、「a-t-il」は「a(avoir)」と「il(彼/それ)」の倒置により、発音のための「t」とともにハイフンでつなげた形です。
この形は母音で始まる人称代名詞に使われるので、「il」以外でも「elle」「ils」「elles」が「a-t-elle」などになります。
年齢の聞き方と答え方
母音以外で始まる人称代名詞なら、発音のための「t」は入りません。
そのため、「きみ」や「あなた」に年齢を聞くなら、普通の倒置です。
「Quel âge as-tu ?」「Quel âge avez-vous ?」ということです。
主語が変わるので、「avoir」の活用が変わる点に注意してください。
そしてこの質問に答える場合は「J’ai ~ an(s).」を使います。
最低でも、自分の年齢の数字は言えるようにしておいた方がいいですね!
倒置しないなら
なお話し言葉の場合は、疑問文だからと言って必ずしも倒置するわけではありません。
今回のフレーズで倒置しないなら、「Quel âge il a ?」になるのですが、どちらかと言うと「Il a quel âge ?」の方が多いと思います。
ただし他の疑問文と違って、本来の形である「Quel âge a-t-il ?」の方が、まだまだ使われている印象です。
そもそも決まり文句であることに加え、「a-t-il」の部分に発音のための「t」があるので言いやすいからだと思われます。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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