言葉のかたまりを見つけよう!
今回のフレーズは少々長く感じられるかもしれませんが、単語をかたまりにして見ていくと、それほど複雑ではありません。
すでにご紹介済みのものも多いので、その場合は要点をまとめますね。
ポイントは、言葉のかたまりの見つけ方。
長めのフレーズを目にしたら、かたまりに注目する習慣をつければ、ラクになります。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回の「Je suis peut-être un peu comme les grandes personnes.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第4章の最後にあります。
第4章では、トルコ人の天文学者のエピソードなどを通して、大人がいかに物事の本質を見ていないかを、語り手の男性がひとり語りをしています。
今回のフレーズは、第4章の最後から2つ目のフレーズです。
「je suis ~」
ここからは単語を見ていきます。
始めの言葉のかたまりは主語と述語。
第15回でご紹介済みなので、要点を確認します。
「je suis ~」の意味は「わたし(僕・オレ)は~です」。
「je」
- 1人称代名詞単数
- 「わたし」「僕」「オレ」などに相当
「suis」
- 英語の be動詞に相当する、être動詞の1人称単数の活用形
- 意味は「~です」
- 「suis」の主語になるのは、「je」のみ
「peut-être」
「peut-être」の意味は「たぶん」「おそらく」「~かもしれない」です。
ここではあえて、文法的な説明はしません。
「peut-être」のままで使うことが多く、説明が長くなる上に、あまり役に立たないからです。
このままで覚えましょう。
「un peu」
「un peu」も、このまま覚えていい表現です。
意味は「少し」「ちょっと」。
「un peu」にほかの単語を組み合わせたり、「peu」だけの使い方もあるのですが、まずは「un peu」で覚えるのがおススメです。
「comme」
第13回で「感動のcomme」として、第18回で「比較のcomme」としてご紹介しましたが、ここでは「比較のcomme」で、「~のように」「~のような」という意味です。
「les grandes personnes」
「les grandes personnes」も第18回でご紹介済みなので、個々の単語は要点をまとめます。
「les grandes personnes」は「(一般的な)大人」の意味で使われます。
「les」
- 「les」定冠詞複数形(男女とも同じ)
- ある特定のものを指すときに使われる
「grandes」
- 形容詞「grand」の女性形・複数です。
- 基本的な意味は「大きい」「背が高い」
「personnes」
- 女性名詞「personne」の複数形
- 意味は「人」
ここまでをまとめると…
「Je suis peut-être un peu comme les grandes personnes.」という、少々長いフレーズを、かたまりごとに分けて見てきました。
これをまとめると:
「je suis ~」の意味は「わたし(僕・オレ)は~です」
「peut-être」の意味は「たぶん」「おそらく」「~かもしれない」
「un peu」の意味は「少し」「ちょっと」
「comme」の意味は「~のように」「~のような」
「les grandes personnes」の意味は「(一般的な)大人」。
背景を考えると…
ここでこのフレーズの背景を見てみます。
第4章では、語り手の男性がまるで大人に反抗するように、物事の本質を見ることの大切さを訴えています。
男性が思うに、王子さまは自分と同じように、男性が子どもの心を忘れていないと信じてくれていたようだと語る一方で、自分には絵に描いた箱の中にいる羊を見る能力はないと言います。
その次こそが、今回のフレーズ。
そして第4章最後に男性は、子どもの心を忘れていなかったはずの自分の老いを自覚するのです。
疑い、そして嘆き
男性にとって、王子さまとの思い出は他には代えがたく、自分が大事に思ってきた子ども心を共有できる、唯一の存在でした。
それなのに、振り返ってよく考えてみると、自らもダメな大人に近づいているのではないかと疑うようになったのが、このフレーズ。
そしてそのことを嘆くのが、自分の老いを自覚した次のフレーズです。
あまりに純粋な男性を通して受け取る作者からのメッセージは、あなたにとって何を意味しますか?
よかったら、どうぞ教えてください。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
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