182 ネイティブの言い方を知ろう! Ça ne fait rien.  Dessine-moi un mouton.

その他(王子さま)

フランス語で味わおう! 

今回のフレーズは、ネイティブならではの言い方をする部分があります。 

2つとも王子さまのセリフですが、王子さまの言い方は本来のフレーズに忠実なので、なんとなく育ちの良さがにじみ出ています。 

こうした違いを知ることができるのも、フランス語で読むからこそ、ですね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ça ne fait rien.」と「Dessine-moi un mouton.」の場所と背景を確認しておきます。 

この2つのフレーズは、第2章の中ほどにあります。 

1枚目の挿絵の2つ前の会話部分で、王子さまのセリフです。 

「Ça ne fait rien.」 

「ça」は代名詞で、本来は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。 

「ne ~ rien」は「何も~ない」という否定表現です。 

「fait」は「~を作る」「~をする」という意味の動詞「faire」の活用形ですが、「Ça ne fait rien.」で「そんなことは構わない」という意味になります。 

「Dessine-moi un mouton.」 

「dessine-moi」は、動詞「dessiner」の命令形「dessine」と1人称代名詞強勢形の「moi」がハイフンでつながれたものです。 

命令形に1人称や2人称の人称代名詞がつく場合には、ハイフンで強勢形をつなぎます。 

「dessiner」は「デッサンする」「描く」「製図をする」などの意味です。 

「un」は不定冠詞単数男性形、「mouton」は男性名詞で「羊」です。 

背景を見てみると 

人里離れた砂漠のなかで出会い、いきなり羊の絵をねだる王子さまに、語り手の男性は驚き、困惑してしまいます。 

そんな様子は構わず、相変わらず羊の絵をねだる王子さまを前に、男性は紙とペンを取り出したものの、それでも少々不機嫌気味に、絵の描き方がわからないと言ってみます。 

今回のフレーズは、この男性の言葉を受けて言った、王子さまのセリフ部分です。 

強引な王子さま 

「絵の描き方がわからない」という人に、「そんなことは構わない」「描いて」というのは、かなり強引ですよね? 

そもそも、王子さまは砂の上で寝入っている男性を起こし、挨拶もなく羊の絵をねだっているのですから、礼儀も何もありません。 

育ちのよい王子さま 

それでも、育ちの良さを感じさせる言い回しが、今回のフレーズにはあるのです。 

それは「Ça ne fait rien.(そんなことは構わない)」の部分です。 

このフレーズは、話し言葉で使われる決まり文句なのですが、「ne」の部分を省略して「Ça fait rien.」と言うことがほとんどです。 

省略したところで、相手に失礼になることはなく、自分の品を落とすこともなく、さらに言えば、発音のしやすさに影響があるわけでもありません。 

ただ単に短くなるだけですが、「Ça fait rien.」と言うことがほとんどなのです。 

それでもあえて「Ça ne fait rien.」と言うのは、やはり育ちのよい王子さまだから、でしょうか? 

間違いのないフレーズ! 

ところで、今回のもう1つのフレーズ、「Dessine-moi un mouton.」には文法上の誤りはありません。 

「なぜそんなことを!」と思われた方は、このシリーズの第177回で、今回とほぼ同じなのに、間違ったフレーズについて触れていますので、読んでみてくださいね! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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