フランス語らしく味わおう!
今回扱うのは長いフレーズの一部分なのですが、いわゆる長文読解だと後ろから訳すことが多くありませんか?
それは、和訳してしまうからです。
少し頭を切り替えて、フランス語そのままで味わってみませんか?
その方法を具体的にご紹介します。
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「J’ai ainsi vécu seul, sans personne avec qui parler véritablement, jusqu’à une panne dans le désert du Sahara,」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第2章の始めにあります。
第2章の最初のフレーズですが、フレーズの全体ではありません。
フレーズの最後にある5つの単語が欠落しています。
「j’ai ainsi vécu seul」
「j’ai」は、「わたし」を意味する1人称代名詞単数の「je」と、「avoir」の1人称単数の活用形「ai」が合わさったものです。
「ainsi」は「そのように」、「vécu」は「生きる」「生活する」「~に住む」「~で暮らす」などの意味の動詞「vivre」の過去分詞です。
「ai(avoir)+(動詞の過去分詞)」で、過去を表す表現です。
「seul」は形容詞で、「唯一の」「ただ1人の」「ただ1つの」という意味です。
「sans personne avec qui parler véritablement」
「sans」は「~なしに」、「personne」は女性名詞で「人」です。
「avec」は「~と一緒に」「~を持って」「~を使って」などです。
「qui」は、疑問代名詞または人を指す関係代名詞です。
疑問代名詞の場合は「?」がついて、「誰」という意味です。
ここでは「?」がないので、人を指す関係代名詞だということが分かります。
「parler」は動詞の原形で「話す」、「véritablement」は副詞で「実際」「真に」という意味です。
「jusqu’à une panne」
「jusqu’à」は、「jusqu’à +(場所/時間)」の形で「~まで」、「jusqu’à +(名詞/動詞の原形)」で「~に至るまで」という意味です。
「une」は不定冠詞単数女性形、「panne」は女性名詞で「(機械や装置などの)故障」という意味です。
「dans le désert du Sahara」
「dans」は、「~の中に」「~の中で」などの意味です。
基本的に「dans + 冠詞 + 名詞」の形で使われます。
「le」は、定冠詞男性単数、「désert」は男性名詞で、「砂漠」「荒地」という意味です。
「du」は、前置詞の「de」と定冠詞単数男性形の「le」が合わさったものです。
「Sahara」は、世界一の砂漠である「サハラの」を意味する男性名詞です。
固有名詞なので1文字目が大文字になっています。
背景を見てみると
ませた子どもだった語り手の男性は、わずか6歳で画家になる夢をあきらめ、周囲の大人たちに批判的になりました。
それでも大人たちに言われたように他の勉強をし、飛行機の操縦士になりました。
自分自身が大人になって、いろいろな人たちとの付き合いはあったのですが、子どもの頃に感じた、大人たちに対するイメージが覆ることはありませんでした。
今回のフレーズは、語り手の男性がたくさんの人たちと係わってきた一方で、真の友人には恵まれなかった様子が描かれています。
フレーズの全体
ところで先ほど、このフレーズの場所をご紹介した際に、フレーズの終わり部分の単語5つが欠落していることをお伝えしましたが、この5語については、このシリーズの第30回で、すでに扱っています。
今回扱う分と合わせたフレーズの全体は、「J’ai ainsi vécu seul, sans personne avec qui parler véritablement, jusqu’à une panne dans le désert du Sahara, il y a six ans.」です。
和訳してしまうと…
こうしてフレーズ全体を見てみると、けっこうな長さですよね?
そしてこのような長文を和訳しようとすると、日本語とフランス語の文法などの違いから、どうしても文末から戻りながら訳していくことが多くなります。
例えば、第30回で扱った部分の「il y a six ans(6年前)」は、その直前の部分である「jusqu’à une panne dans le désert du Sahara」が、いつ起こったことかを説明しています。
そのため、和訳するなら「6年前に~」のように始めることになるのです。
フランス語のままの理解の仕方
冒頭でも触れたとおり、こうした和訳をやめよう、というご提案です。
つまり、ネイティブのフランス人と同じく、長文であってもフレーズの先頭から順番に理解していきます。
今回のフレーズなら、「j’ai ainsi vécu seul」で「一人で生きてきた」ということがわかり、「sans personne avec qui parler véritablement」で「真の意味で語り合える人もなく」ということがわかります。
さらにそれは、「jusqu’à une panne」で「(飛行機の)故障まで」であったことがわかり、 その故障は「dans le désert du Sahara」で「サハラ砂漠のなか」で起こり、
その故障は「il y a six ans」で「6年前」だったのです。
フランス語モードとは?
日本語でわかろうとすると、どうしても後ろから出発したくなりますが、少し頭を切り替えてフランス語モードにすれば、フランス語をそのまま味わえます。
つまり、「いつ誰が何をどうした」という順番ではなく、「誰がどうした何をいつ」のようになっていると考えれば、少々のトレーニングでネイティブに近づけます。
メリットは?
トレーニングの方法は、今回のように少々長いフレーズを和訳せず、語句のかたまりごとに理解するクセをつけることです。
クセをつけるには、やはり何度となく繰り返し鍛えるのが大切です。
脳の筋トレをするようなイメージですね!
そしてこれができるようになると、「フランス語で話す内容はフランス語で考える」という、ネイティブさながらの頭の使い方にグッと近づきます。
理解や反応の速さにつながるので、とってもおススメですよ!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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