165 動詞の前後に目的語? et c’est fatigant, pour les enfants, de toujours et toujours leur donner des explications.

動詞

言葉の言い換えで語順が変化! 

今回は動詞にまつわる語順のお話しです。 

フランス語には、同じことを言っていても、言葉の言い換えをするだけで語順が変わる場合があり、今回のフレーズでもそれが起こっています。 

語順変化のルールと一緒にご紹介しますね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「et c’est fatigant, pour les enfants, de toujours et toujours leur donner des explications.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第1章の後半にあります。 

3枚目の挿絵のすぐ後にある段落の最後にあるフレーズです。 

フレーズの全体は少々長いです: 

「Les grandes personnes ne comprennent jamais rien toutes seules, et c’est fatigant, pour les enfants, de toujours et toujours leur donner des explications.」 

今回扱うのは、この後半部分です。 

「et c’est fatigant」 

「et」は「そして」、「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

「fatigant」は形容詞で、「疲れさせる」「骨の折れる」という意味です。 

「c’est fatigant de +(動詞の原形)」で、「~するのは疲れる」です。 

「pour les enfants」 

「pour」はいろいろな意味がありますが、「~のために」「~の理由で」「~にとっては」などが代表的です。 

「les」は定冠詞複数形、「enfants」は「子ども」を意味する男性名詞「enfant」の複数形です。 

「de toujours et toujours leur donner des explications」 

ここでの「de」は、「c’est fatigant de +(動詞の原形)」の「de」です。 

そして「疲れ」の内容を表す動詞の原形が「donner」です。 

「donner」はいろいろな意味になる動詞ですが、「~を~に与える」「~を~にあげる」が代表的です。 

「~を」の部分は「des explications」です。 

「des」は不定冠詞複数形、「explications」は「説明」や「釈明」などを表す女性名詞「explication」の複数形です。 

「~に」の部分は「leur」です。 

「leur」は3人称代名詞複数形の間接目的です。 

ここでは、このフレーズの前半部分にある、「les grandes personnes(大人たち)」を指しています。 

また、「toujours et toujours」と「いつも」「常に」などを意味する「toujours」を重ねることで、「いつもいつも」「常々」のように強調しています。 

背景を見てみると 

6歳だった少年期に起きた出来事によって、語り手の男性は将来の夢をあきらめることになり、それと同時に、周囲の大人たちは誰も、物事の本質を理解しないのだということを悟ります。 

その結果、語り手の男性の気持ちの中では、大人たちに対する不信感が増し、前回(第164回)で扱った部分では怒ってもいるのですが、なかばグチのように気持ちを述べているのが今回扱う部分です。 

変化のルールとは? 

さて、今回扱う部分には修飾語などもあるので、それを取ってスッキリさせてみます。 

すると、「c’est fatigant de leur donner des explications」になります。 

先ほど、「c’est fatigant de +(動詞の原形)」で、「~するのは疲れる」だとご紹介しました。 

ですので、この部分の意味は「彼らに説明してあげるのは疲れる」になります。 

そしてもう一度この部分「c’est fatigant de leur donner des explications」を見てみると、動詞の原形部分である「donner(~を~に与える/あげる)」の目的語の一部「~に」が、動詞の前にも来ていますよね? 

これは、「目的語が代名詞などになる場合は動詞の前に来る」という決まりがあるからです。 

短文で確認しよう! 

もう少し短いフレーズで考えてみます。 

例えば「私はLéoに本をあげる」というフレーズを変化させていきます。 

この時点では代名詞は使っていませんが、「Léo」を「彼」にします。 

すると「私は彼に本をあげる」で、「~に」という目的語が代名詞になります。 

フランス語では? 

これをフランス語にします。 

動詞「donner」は、主語「je(私)」に合わせて活用形「donne」になります。 

「Je donne le livre à Léo.(私はLéoに本をあげる)」 

「Je lui donne le livre.(私は彼に本をあげる)」 

となり、目的格の代名詞「lui」が動詞「donne」の前に来るのです。 

代名詞を言い換えると? 

では先ほどの、修飾語などを省いた部分「c’est fatigant de leur donner des explications」について、再度見てみます。 

この中の代名詞「leur」は、「les grandes personnes(大人たち)」であるとお伝えしましたね? 

ですので、今度は代名詞からの言い換えをしてみます。 

すると「c’est fatigant de donner des explications aux grandes personnes」になり、名詞が後ろに来ます。 

注意点は、「les grandes personnes」の「les」の部分が「aux」になること。 

「à + les = aux」ということです。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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