147 「même」まとめ! J’ai une autre excuse : cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants.

その他(王子さま)

語順で意味が変わることも!

今回のキーワードは「même」です。 

少々特殊と言われるこの単語は、主に3種類の違う意味になるのですが、「形」に注目すれば、あまり難しくはありません。 

ただし、同じ単語を使っても、語順が変わるだけでまったく意味が異なることもあるので、その例もお見せしますね! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「J’ai une autre excuse : cette grande personne peut tout comprendre, même les livres pour enfants.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第0章とも言うべき、献辞部分(「À LÉON WERTH」と書いてあるところ)の3つ目のフレーズです。 

「J’ai une autre excuse」 

「j’ai」は、「わたし」を意味する人称代名詞1人称単数の「je」と、英語の「have」に当たる動詞「avoir」の活用形「ai」が合わさった形です。 

「une」は不定冠詞単数女性形、「autre」は、「不定冠詞 + autre + 名詞」の形で、「別の」「他の」という意味です。 

「excuse」は女性名詞で「言い訳」「弁解」「口実」などの意味です。 

「cette grande personne」 

「cette」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の女性形単数です。 

「grande personne」は「大人」という意味です。 

「peut tout comprendre」 

「peut」は、「pouvoir」の3人称単数現在の活用形です。 

「pouvoir +(動詞の原形)」で、「~することができる」「~してもいい」という意味になります。 

「pouvoir」についている動詞の原形「comprendre」は、「理解する」「わかる」「認める」などの意味です。 

ここでは、「comprendre」の目的語として「tout(すべて・全部)」がついています。 

「même les livres pour enfants」 

「même」については後ほど深掘りしますが、ここでの意味は「~すら」「~さえ」です。 

「les」は定冠詞複数形、「livres」は「本」を意味する男性名詞「livre」の複数形です。 

「pour enfants」で「子どもの(ための)」なので、この部分全体で「子どもの本でさえ」という意味になります。 

背景を見てみると 

『星の王子さま』のお話しを始める前に、このお話しを捧げるのが1人の大人であることについて、作者は子どもたちに謝罪し、その理由を説明しています。 

第1の理由は、この大人が作者の親友であることでした。 

そして今回のフレーズは、その第2の理由に当たる部分です。 

作者の親友は、他の大人とは違うんだということを言いたいようですね! 

「même」まとめ! 

さてここからは、「même」を深掘りしていきます。 

この「même」、ざっくり言うと「同じ」「まさに」「~さえ」という3つの意味があります。 

形容詞・副詞・代名詞の3種類ですが、形容詞と副詞の一部には区別が難しいものもあります。 

まず品詞ごとにご紹介しますが、形でだいたい判断できるようになるので、最後までお付き合いください! 

形容詞の「même」 

  • 定冠詞(または前置詞)+ même + 名詞 :「同じ」「同じような」→ la même personne「同一人物」 
  • 名詞(または代名詞)+ même :「まさにそのもの」「~自身」→ moi-même「私自身」 
  • 名詞 + même :「~すら」「~さえ」→ les animaux mêmes「動物さえ」 

副詞の「même」 

  • même + 名詞(または形容詞句など):「~すら」「~さえ」→ même les animaux「動物さえ」 
  • 副詞(または副詞句)+ même :「まさに」「ちょうど」→ ici même「まさにここ」 

代名詞の「même」 

  • 定冠詞 + même :「同じ人」「同じもの」→ C’est ton portable ? J’ai le même.「これ、君のケータイ? 同じのを持ってる」 

形で判断する「même」 

例外はあるのですが、「même」は形でだいたい判断するとラクです。 

ここでは、先ほどご紹介した「同じ」「まさに」「~さえ」という、代表的な意味をもとに形を見ていきます。 

  • 「同じ」:定冠詞 + même → la même personne「同一人物」 
  • 「まさに」:副詞 + même → ici même「まさにここ」 
  • 「~さえ」:même + 名詞、名詞 + même → même les animaux / les animaux mêmes「動物さえ」 

判断上の注意 

「même」が定冠詞のそばにある時は、その位置関係に注意します。 

定冠詞があるのは「même」前か後か、また直前直後なのか名詞が間にあるのかで、まったく意味が変わります。 

ただし、始めから区別するのは大変なので、やはり慣れも必要です。 

ここでの「même」 

今回のフレーズの「même」は、「même les livres」なので、「même + 名詞」の形です。 

なので「本さえ」という意味です。 

でもこれが、「les mêmes livres」なら、「定冠詞 + même」の形なので、「同じ本」になります。 

フランス語は語順でまったく違う意味になることがあるという、典型的な例ですね! 

なお「les mêmes livres」の場合は、「même」が複数形になるということもお忘れなく! 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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