146 あまり持たない「avoir」 J’ai une excuse sérieuse : cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde.

名詞

長いけど単純!

今回からは、またお話しの最初に戻り、主に動詞に着目します。 

とはいえ登場するのは、これまで何度も扱った動詞「être」以外では1つだけ。 

長文ですが、小さなかたまりに区切って見ていきましょう! 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「J’ai une excuse sérieuse : cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第0章とも言うべき、献辞部分(「À LÉON WERTH」と書いてあるところ)の2つ目にあります。 

「j’ai une excuse sérieuse」 

「j’ai」は、「わたし」を意味する人称代名詞1人称単数の「je」と、英語の「have」に当たる動詞「avoir」の活用形「ai」が合わさった形です。 

「une」は不定冠詞単数女性形、「excuse」は女性名詞で「言い訳」「弁解」「口実」などの意味です。 

「sérieuse」は「まじめな」「勤勉な」「熱心な」「(事態や病気などが)重大な」などの意味の形容詞、「sérieux」の女性形です。 

「cette grande personne」 

「cette」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」の女性形単数です。 

「grande personne」は「大人」という意味です。 

「est le meilleur ami」 

「est」は、動詞「être」の3人称単数現在の活用形です。 

「le meilleur ~」で「1番の~」、「ami」は「友人」という意味の男性名詞です。 

「que j’ai au monde」 

ここでの「que」は、これに続く「j’ai au monde」の部分が、フレーズとして完結するかどうかで、接続詞または関係代名詞になります。 

これについては、後ほど深掘りします。 

「j’ai」は既出ですが、「わたし」を意味する人称代名詞1人称単数の「je」と、英語の「have」に当たる動詞「avoir」の活用形「ai」が合わさった形です。 

「au monde」で、「世界で」という意味になります。 

背景を見てみると 

今回のフレーズは、『星の王子さま』のお話しを始める前に入れられた、献辞部分の2つ目だとご紹介しましたが、1つめのフレーズで作者は、謝罪しています。 

そしてこの謝罪は子どもたちに向けたもので、その内容は、このお話しを捧げるのは、(子どもではなく)1人の大人であるということです。 

その大人とは、「LÉON WERTH」という人。 

「le meilleur ami(1番の友だち)」つまり作者の親友ですね。 

「まじめな言い訳」とは? 

そして、今回のフレーズになるのですが、作者は子どもたちに謝った後で「une excuse sérieuse(まじめな言い訳)」を始めます。 

その言い訳とは、「:(コロン)」の後にある「cette grande personne est le meilleur ami que j’ai au monde」とのこと。 

「cette grande personne(この大人)」「le meilleur ami(一番の友だち)」の部分から、献辞の相手は作者の親友だとわかります。 

要するに、「大人に捧げるけど、親友なんだから勘弁して!」ということですね。 

ここでの「que」 

ところで、「que j’ai au monde」の「que」について深掘りしていきます。 

ここでの「que」には「!」や「?」がないので感嘆詞や疑問詞ではなく、接続詞か関係代名詞になります。 

この場合の接続詞か関係代名詞かを判断するには、「que」の後の部分が短いフレーズとして完結しているかどうかがポイントです。 

完結していれば接続詞、完結していなければ関係代名詞になります。 

今回の「j’ai au monde」を直訳すると、「j’ai(私は持っている)」「au monde(世界で)」なので、「私は世界で持っている」になってしまいます。 

つまり意味不明で完結していないので、ここでの「que」は関係代名詞です。 

持たない「avoir」? 

再度話しが変わりますが、先ほど「avoir」に関して、英語の「have」に当たる動詞だとご紹介しました。 

「avoir」を辞書で引くと、「持っている」「身につけている」などがまず出てきますし、これは英語の「have」と同じです。 

けれど「have」同様、「avoir」も「持っている」と和訳できないことが多い動詞です。 

今回も、最初の「j’ai」の部分は「(言い訳が)ある」という意味ですよね? 

そして、2つ目の方の「j’ai」に関しても、「que」が関係代名詞なのでその直前の「le meilleur ami(親友)」にかかります。 

ということは、やはり「(親友が)いる」という意味ですよね! 

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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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