123 日本語とは正反対! Si ! Si ! c’est bien le jour, mais ce n’est pas ici l’endroit…

その他(王子さま)

日本語と違う! 

今回のフレーズにある「Si ! Si !」という言い方は、日常の会話で盛んに使われます。 

ただし、日本語と正反対の言い方です。 

どのような場面で使うのか、また、発音にも注意点があるので、ご紹介します。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Si ! Si ! c’est bien le jour, mais ce n’est pas ici l’endroit…」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第26章の始めにあります。 

第26章の4行目にあるフレーズで、王子さまのセリフです。 

「c’est bien」 

「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

意味は「これ(それ・あれ)は~です。」 

「bien」は副詞で、「よく」「正しく」「非常に」「本当に」などの意味です。 

「le jour」 

「le」は定冠詞単数男性形です。 

「jour」は男性名詞で、「1日」「曜日」「昼間」といった意味で使われます。 

「mais」 

「mais」の基本的な意味は「しかし」「けれど」で、逆説を表します。 

「ce n’est pas」 

「ce n’est pas」は、「c’est」の否定形です。 

「n’est」は、「ne」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。 

意味は「これ(それ・あれ)は~ではない。」です。 

「ici l’endroit」 

「ici」は「ここ」、基本的には近い場所を表します。 

「l’」は定冠詞単数男性形「le」の短縮形です。 

「endroit」は男性名詞で、「場所」「部位」などの意味です。 

背景を見てみると 

語り手の男性が飛行機の修理の後に井戸に戻ると、王子さまはヘビと話しています。 

ただしこの時点で、男性は王子さまが誰と話しているのかを知りませんでしたが…。 

「c’est bien le jour, mais ce n’est pas ici l’endroit」 

まず、「c’est bien le jour, mais ce n’est pas ici l’endroit」を整理してみます。 

「c’est bien le jour」で、「日は正しい」つまり「日付は合っている」ということでしょう。 

そして「mais ce n’est pas ici l’endroit」で、「けれど場所はここではない」ということですね。 

要するに、王子さまはヘビが場所を間違ったと主張しているのです。 

「si」 

そして「si」という言葉は、否定の質問に対する肯定の返事、または相手の否定表現による発言に対する打消しや訂正に使われます。 

否定表現に対する返事に関しては、日本語とフランス語では真逆になるので、ややこしいです。 

簡単な例でご紹介します。 

否定の質問に対する肯定の返事 

「これ、見たことないの?」「ううん、見たことあるよ!」の場合の「ううん」が、「si」に当たります。 

日本語だと否定の「いいえ」で回答する場面ですが、フランス語では「否定の否定は肯定になる」という論理で、肯定表現の「si」が使われます。 

フランス語の肯定の返事は「oui」ですが、否定の質問に肯定で答える場合には「si」になりますので、注意してください。 

否定表現による発言に対する打消しや訂正 

「カナダの首都はオタワじゃない」「ううん、オタワだよ!」の場合も、「ううん」が、「si」に当たります。 

こちらも、日本語だと否定の「いいえ」で訂正する場面ですが、フランス語では肯定表現の「si」が使われます。 

「Si ! Si !」 

そして「Si ! Si !」ですが、これは「si」を繰り返しています。 

ビックリマーク「!」をつけて2回繰り返しているので、強く主張しています。 

先ほどの例だと、「見たことないの?」と言われて「もちろん見たことあるよ!」のように、見たということを強く主張する場面などで使われます。 

「見たことある」まで言わず、ただ単純に「Si ! Si !」だけで、見たことが伝わります。 

ただし、発音には少々注意してください。 

日本語の「静かにして」の意味の「シー、シー」とは似て非なる音です。 

ヘビのセリフ 

王子さまのセリフである今回のフレーズは、ヘビの発言を否定したものでした。 

お話しの中にヘビのセリフはないのですが、想像してみることはできますよね? 

王子さまは「日にちは正しいけれど、場所が違う」という意味で主張しているので、ヘビのセリフとしては、「今日じゃなかったっけ?」が考えられるのではないでしょうか。 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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