119 目には見えない大事なこと Mais les yeux sont aveugles.

その他(王子さま)

「大事なこと」の象徴 

『星の王子さま』という作品では、「大事なことは、目には見えない」ということが繰り返し語られます。 

中でも今回のフレーズでは、かなりダイレクトに表現されています。 

そして「大事なこと」の象徴として登場するのは、子ども時代の楽しい思い出でした。 

このフレーズの場所と背景 

では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Mais les yeux sont aveugles.」の場所と背景を確認しておきます。 

このフレーズは、第25章の中ほどにあります。 

第25章の挿絵の後3行目からは段落になっているのですが、その段落の終わりから数えて6行目にあるフレーズで、王子さまのセリフです。 

「mais」 

「mais」の基本的な意味は「しかし」「けれど」で、逆説を表します。 

「les yeux」 

「les」は定冠詞複数です。 

「yeux」は、「目」や「視線」を意味する男性名詞「œil」の複数形です。 

単数形と複数形がまったく異なる名詞です。 

単数形「œil」の「œ」は、oとeがつながった文字ですが、「oeil」と書かれる場合もあります。 

キーボードでは入力できないことが多いので、特殊文字の挿入を使います。 

「sont aveugles」 

「sont」はêtre動詞の3人称複数形です。 

「aveugles」は「盲目の」という意味の形容詞、「aveugle」の複数形です。 

背景を見てみると 

王子さまと語り手の男性が見つけた井戸は、砂漠にあるにもかかわらず、街の井戸のように滑車や桶、縄のついた、立派なものでした。 

2人は井戸の水を飲むのですが、星空の下を歩いて探し、苦労して得た水の味は格別で、王子さまは自分の星のバラのように感じたようです。 

「(大切なものは)心で見なければならない」と言う直前に言ったのが、今回のフレーズです。 

王子さまの求めていたもの 

語り手の男性と出会った当初から、砂漠の真ん中にいるにもかかわらず、王子さまはおなかがすいた様子も、ノドが渇いた様子もありませんでした。 

そんな王子さまが、しきりに井戸の水を欲しがる様子を見て、男性は水を飲む前から、王子さまが求めていたものが何なのかを理解しました。 

2人で苦労して探し当て、男性に組み上げてもらった水は、ほかのモノとは違うのです。 

もちろん、井戸の水は他の何物にも代えがたい味なのですが、それはノドが渇いていたから美味しかった、というレベルではありません。 

あなたの心温まる体験は? 

王子さまに続いて男性も水を飲んだようですが、この水を飲んで男性が思い描いたのは、自分の子どもの頃のクリスマスの情景でした。 

クリスマスツリーの明かり、真夜中に行われるミサの音楽、もらったクリスマスプレゼントを見てほほ笑む自分…。 

子どもの頃の体験は人それぞれだと思いますが、あなたにも、こうした心温まる体験がありますか? 

この記事を音声で聞くなら 

シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。 

下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!

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