効率よく覚えよう!
今回のフレーズにある「malentendus」ですが、この単語だけを覚えるのは、もったいない勉強法です。
この単語をきっかけに、いくつもの単語を無理なく覚えられるので、その方法をご紹介します!
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Le langage est source de malentendus.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第21章の中ほどにあります。
3枚目の挿絵の少し前にある段落の中のフレーズで、キツネのセリフです。
「le langage」
「le」は定冠詞単数男性形です。
「langage」は男性名詞で、「言語」という意味ですが、「言語の使用」「言語活動」のようにも使われます。
「est」
「est」は、être動詞の3人称単数の活用形です。
「source de malentendus」
「source」は女性名詞で、「泉」「水源」というのがもともとの意味なのですが、それが転じて「(事柄の)源」や「発生源」といった意味にも使われます。
「source de ~」で、「~の元」という意味になります。
「malentendus」は、「誤解」という意味の男性名詞「malentendu」の複数形です。
「mal」+「entendu」
「malentendu」という単語は、「mal」+「entendu」にわけることができます。
「mal」は名詞・形容詞・副詞になる単語なのですが、「悪」「害悪」という意味なので、「了解された」という意味の「entendu」につくことで、「悪く了解された」→「誤解」という意味になるのです。
「mal」のつく他の言葉
「mal」を他の単語につけることで、「悪」や「害悪」という意味が加わるので、「malentendu」以外にも、「mal」のつく言葉はいくつもあります。
例えば「不幸な」「不運な」という意味の「malheureux」は、「幸運な」という意味の「heureux」の対義語です。
また、「不誠実な」という意味の「malhonnête」も、「誠実な」という意味の「honnête」の対義語です。
さらに、「(工事などの)手抜き」という意味の「malfaçon」は、「仕立て」「流儀」などの意味の「façon」が「悪い」というところからできた単語です。
「entendu」
なお「entendu」は、「~が人の耳に聞こえる」という意味の動詞、「entendre」の過去分詞です。
これが形容詞として使われることで、「了解された」という意味に。
こうした単語の構成を知ることで、それぞれの単語を別に覚えるよりも、効率的にたくさん覚えることができますね!
背景を見てみると
王子さまがようやく乗り気になってくれたので、キツネは縁結びの具体的な方法について、レクチャー中です。
その方法とは、まず王子さまはキツネから少し離れたところに座り、キツネは横目で王子さまを見るが、王子さまは何も言わない、というところからスタートします。
この「何も言わない」ということが大切なようで、今回のフレーズになるのです。
日本の美徳?
「言わなきゃわからない」とされる人間関係が多く、どのように説明するのがいいのか、相手にわかってもらいやすいのか、などを考える現代人にとって、今回のフレーズは、逆に新鮮です。
日本では沈黙が美徳とされて、「言わぬが仏」などとも言われますが、「余計なことは言わない方がいい」という教えがあるのは、日本だけではないようです。
「沈黙は金なり」という有名な言葉も、もとはイギリス人が書いた哲学書の翻訳文なので、ヨーロッパにあった考え方のようです。
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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