フランス語力アップのために
『星の王子さま』は、お話しがおもしろいので、ともすると素通りしてしまうのですが、気をつけて読んでいると、フランス語力アップに役立つフレーズがたくさんあります。
今回のフレーズも、そのうちの1つ。
一緒に考えてみませんか?
このフレーズの場所と背景
では、単語に入る前に、今回のフレーズ、「Ça, c’est intéressant !」「Et des poules ?」と「Non.」の場所と背景を確認しておきます。
このフレーズは、第21章の前半にあります。
2枚目の挿絵から2行目から4行目にあるフレーズで、キツネが質問し、王子さまが返事をしています。
「ça」
「ça」は代名詞で、本来は「あれ/それ」を意味する「cela」の話し言葉です。
また、「あれ/それ」という意味を超えて、ただ単に感情の起伏を表すために使われることがあり、今回のフレーズでも、このタイプの使い方です。
「c’est」
「c’est」は、「これ(それ・あれ)」を意味する「ce」と、être の3人称単数の活用形「est」が合わさってできています。
意味は「これ(それ・あれ)は~です。」
「intéressant」
「intéressant」は形容詞で、「興味深い」「おもしろい」などの意味です。
女性形は「intéressante」で、語尾の発音が変わります。
「et」
「et」は「そして」という意味です。
「des」
「des」には2種類あり、1つは不定冠詞複数形、もう1つは前置詞の「de」と定冠詞複数形の「les」が合わさった形です。
「poules」
「poules」は、「雌鶏(めんどり)」を意味する女性名詞「poule」の複数形です。
男性名詞、つまり「雄鶏(おんどり)」は「coq」(語尾のQも発音します)。
また、「若鶏(わかどり)」も男性名詞で、「poulet」です。
背景を見てみると
それまでは哲学者のようだったキツネですが、王子さまの星に興味がそそられ、「あわよくば自分も!」とばかりに、自分にとって「いい星」なのかどうかを知りたくて、王子さまを質問攻めにしてしまいます。
キツネの敵である猟師がいないと知ったので、今回の1つめのフレーズ、「Ça, c’est intéressant !」となり、どうやらその次は、好物のニワトリがいるのかどうかが、興味の対象のようです。
ここでの「des」
ところで、2つ目のフレーズ「Et des poules ?」の「des」には2種類あるとご紹介しました。
不定冠詞の「des」と、前置詞+定冠詞の「des」です。
ここでの「des」が不定冠詞なのか、前置詞+定冠詞なのかを、少し考えてみましょう。
背景から、キツネは「雌鶏(めんどり)」がいるのかどうかを聞いているということがわかりますよね?
とすると「des」は、不定冠詞と、前置詞+定冠詞のどちらでしょうか?
…ここでは、まだ存在すらも知らない対象について聞いているので、当然「特定できない」ため、不定冠詞が使われています。
そう、ここでの「des」は、不定冠詞の「des」です。
主語と述語を補おう!
今回の2つ目のフレーズ「Et des poules ?」には、主語と述語がありません。
背景から、キツネは「雌鶏(めんどり)」がいるのかどうかを聞いているということがわかりますが、このフレーズで省略されている主語と述語は、何でしょうか?
…「~がいますか?」「~がありますか?」に当たるのは、「il y a ~」なので、「Et des poules ?」にこれを補うと、「Et il y a des poules ?」になり、これでも間違いではありませんが、「Et y a-t-il des poules ?」にすると、より自然に。
「Il y a ~」の疑問文として、倒置形の「Y a-t-il ~ ?」がよく使われるからです。
もちろん、お話しの流れの中で「Et des poules ?」が一番自然なのは、言うまでもありませんね!
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シリーズ【フランス語版 星の王子さまのフレーズ】は、ポッドキャストでも配信しています。
下のリンクのクリックでこの記事に該当するエピソードに飛びますので、発音の確認などにお使いくださいね!
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