原文ならではの感覚
新シリーズ、それも『星の王子さま』を扱うので、その第1回には何がふさわしいのかと悩みました。
その結果選んだのが「Mon dessin numéro 1.」というフレーズです。
簡単な単語がたったの3つ、プラス数字の1だけで、センスを感じさせるというのが、その理由。
ただしこれ、フレーズと呼んでいいのかどうかは少々微妙です。
なぜなら、動詞が見当たらないからです。
このフレーズの場所と背景
「Mon dessin numéro 1.」は、第1章の始めの方にあります。
誰もが帽子に間違ってしまう、2枚目の挿絵の直前です。
ゾウを飲み込んだところを描いたという、このお話しのキモになる絵のことを指しています。
「mon」
単語を1つずつ見ていくと、「mon」は所有を表します。
細かいことを言うと、1人称で単数、そして男性形です。
1人称の所有とは「私の」「僕の」「オレの」ですよね?
単数で男性形とは、その後に続く名詞が単数で男性形だということです。
ちなみに、単数で女性形の名詞が続くなら、「ma」になりますし、複数だと男性・女性とも「mes」になります。
すみません、第1回のはじめから、かなり面倒な話しになっていますね。
一応文法の説明をしますが、「ふ~ん!」程度に軽く飛ばしてくださいね。
「dessin」
次に「dessin」ですが、これはフランス語由来の外来語である「デッサン」の元になった単語です。
ただし日本語の「デッサン」とは少し意味が違います。
私は美術関係に詳しくないので、あくまでも一般的な感覚なのですが、日本語の「デッサン」は鉛筆などで描いた素描と言われるような絵や技法のことだと思っています。
フランス語の「dessin」だと素描だけでなく、いわゆる「お絵描き」をはじめ、「図面」や「地図」などを指すことも多いです。
お話しの中で、この絵を描いた時点では子どもなので、大人からは「お絵描き」としか思われていないでしょうが、本人は将来の職業も見据えていたようなので、「絵画」に相当すると考えてこの単語を使っている可能性があります。
「numéro」
この単語は「ナンバー」と同じように使われることがほとんどです。
場合によっては「数字」に近いこともありますが、ここでは明らかに「ナンバー」の意味で使っています。
そして「numéro 1」の数字の部分の読み方は「un」で男性形です。
ちなみに、女性形の1だと「une」になります。
「1枚目の絵」とは言っていない
ところでこの絵と次の絵、つまりゾウを飲み込んだヘビの外側の絵と内側を描いた絵を説明する際に、「ナンバー1」「ナンバー2」という言い方をしていて、自分の描いた「1枚目の絵」「2枚目の絵」という言い方はしていません。
通常は「私の1枚目の絵」という言い方を耳にすることが多いものですが、そうではないところに、センスを感じます。
「1枚目の絵」と言うなら
では最後に、通常よく聞く「1枚目の絵」の言い方をご紹介します。
「第一の」と訳されることが多い「premier」を使って「le premier dessin」です。
(定冠詞がつきます)
「mon」もつけるなら、「mon premier dessin」ですね。
なお、はじめにお話ししたように、名詞が男性形なので「mon premier」になりますが、女性形の名詞が後に来るなら、「ma première leçon」のように変化します。
引き続きご意見をお待ちしています
初回から文法にも踏み込んだので、難しく感じた方もいらっしゃるかもしれません。
始めにもお伝えした通り、「ふ~ん!」で聞き流していただけると嬉しいです。
今後も必要なことは繰り返しますので、あまり頑張らずに読んでみてくださいね。
その都度覚えなくても、回数をこなすことで身に付きます。
ご意見やご感想等がありましたら、ブログのお問い合わせページからお願いします!
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